2025年02月22日

種子法廃止違憲訴訟控訴棄却判決

 国が主要農作物種子法(種子法)を廃止したため、食糧を安定的に生産し供給する権利が侵害されたとして、各地の農家ら約900人が、国に廃止が違憲であることの確認などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は20日、廃止は合憲だとして請求を棄却した一審東京地裁判決を支持し、農家側の控訴を棄却した。ことをWEBで確認した。

 TPP交渉廃止・違憲訴訟の会から「TPP新聞 守ろう!命と暮らしと未来」2025年2月、VOL24が手許に届いている。
 日本の食と農業を守るための実践活動として、TPP交渉廃止・違憲訴訟の原告団の一員に加わったこともあるが、1審敗訴でメンバーから外れたけれど、会の活動を支えるサポーターにはなっているから会報が送られてくるのだ。

 結果的に力及ばず、TPP(環太平洋バートーナーシップ協定)が動き出してしまったことから、現在は自民党政府が日本の農業を守ることを切り捨てたことを証明するかのような種子法廃止したことに反対し、主要農産物種子法廃止違憲訴訟を提訴している。
 1審で合憲とされ、控訴するも、2月20日の高裁の判決で再び合憲とされた。

 TPP違憲訴訟、種子法違憲訴訟共に、オールドメディアとなりつつある新聞やTVが報道しようとはしていないが、日本の食や農業のことを真剣に考えている人たちがいることを発信するために書いている。

 TPP新聞では、TPP交渉廃止・違憲訴訟の会の池住義憲代表が「グローバリゼーションの歴史から私たちは何を学ぶのか『司法は憲法判断を』というタイトルでTPP交渉廃止・違憲訴訟から10年が経ち、グローバリーゼーションという世界経済の大きな流れの中で闘ってきたのは何だったのか、見つめなおしている。

 ベトナム戦争でサイゴンがアメリカによる支配から解放される前日の1975年4月29日、避難民の救済活動にあたっていた池住さんを含めた外国人も命の危険があるのことから、アメリカ大使館からヘリコプターで退避することになった。
 その時、ベトナム人も助けを求めて塀を乗り越えようとしていたが、米兵はベトナム人を蹴落とし、外国人だけを救出した時、池住さんはどちら側に立って、残された人生を歩んでいくのか決断を迫られ、日本でアジア人として生きることを選択したそうな。
 (中略)
 人権を守る最後の砦である司法府が、憲法の視点から、種子法廃止がどうだったのか、法と良心に従って判断することを切に願っている。と結ぶ。


 ベトナム戦争の頃、朝日の著名な記者本多勝一『殺される側の論理』(朝日新聞社)を買い求めて読んだことがある。
 一言で要約すると世の中、殺す側と殺される側に分けられるというのだ。荒っぽいが満更的外れとは思えないので、今も時々思い出す。
 一握りの富裕層とその他という貧富の経済格差が開いた現在の世の中にも通じるものがありそうだ。

 自分も、生き方を変えるような価値観がひっくり返るほどの経験をし、自由が何より大事で、その自由を奪われた人たちの慰霊と供養ということで、戦没者を筆頭に犯罪被害者、公害病などの犠牲者などの慰霊碑や墓碑を訪れるようになった。

 TPPとその下で種子法を廃止したのは、食料への権利、生存権という視点から見ても間違っているという池住さんの考えを支持することを書いておく。
posted by 遥か at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 農業、林業振興