2025年02月21日

鉛管に健康被害の恐れ 日常に潜む危険

 健康被害の恐れがあるとして国が2004年に早期の完全撤去を掲げた鉛製給水管(鉛管)が、23年3月時点の上水道の契約ベースで200万件超あり、06年の初調査時(約500万件)から約6割減にとどまっていることが日本水道協会(東京)の調査で判明した。宅地では大半が私有財産で自発的な交換に委ねられていることが背景にあり、完全撤去の見通しは立っていない。と2月14日の読売が伝えている。
 
 鉛を過剰摂取すると、腹痛や神経のまひなどの症状が出る。国は04年6月に策定した「水道ビジョン」で鉛管を「早期にゼロにする」と打ち出した。

 国は1989年、鉛管を新設せず、別の材質の管に交換するよう全国の水道事業者に通知した。


 紙面では山口県でアパートに居住する男性が鉛管の被害で車いす生活を余儀なくされていることを伝えていた。
 日々の暮らしを総点検すると、予想もしない危険と隣り合わせということがあったりする。
 「そんな暇はない」という向きがほとんどかと思うが、日常生活に潜む危険として、山口県であったという事例は侮れない。大家に請求した損害賠償が裁判で認められていることからして、鉛管での健康被害があったことを物語っている。

 普段の生活で、想定外のことが起きると大事故になって当事者になったら命がけである。
 例えば、埼玉の八潮の県道での事故は誰も想像すらしたことがないはずで、もし、車でその道を通行していたら、恐怖以外の何物でもない。

 ところが道路が陥没ということは、地下をいろいろ活用している現在では予測されることである。
 記憶をたどれば、博多でもあったし、東京は調布でもあった。

 さて、鉛管である。
 水道は道路と宅地内では所有権が異なるから、宅地内に水道を引き入れるのは宅地の所有者がやることで、そうなると、ここで鉛管が使われていたら、宅地の所有者の責任で交換する必要があるのだ。
 地方自治体が交換してくれるわけではないから、山口でアパートの大家に責任が生じることになったというわけである。
 現在は鉛管を使わないことになっているから、年月が経っている水道で鉛管が使われていたら安全のために交換しなけばならない。

 嫌いな言葉であるが、それこそ自己責任ということになってしまう。
posted by 遥か at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題