2025年02月14日

ルワンダの大虐殺 憎しみの連鎖を断ち切り、平和を手に

 NHKパクス・ヒュマーナ 〜平和という“奇跡”〜
 「俳優の佐々木蔵之介と濱田岳が旅人となり、人類が実現した“平和の瞬間”をみつめる。
 歴史上の戦争には、ある「共通点」があります。
 それはどの戦争も必ず、終わりを迎えていること。人類は戦争を終わらせ、たとえ束の間でも「平和」を築いてきました。
 そして、世界各地で戦争が相次ぐ今だからこそ、「平和」という”奇跡”を考えます。
 佐々木が旅したのはイタリア。11世紀に始まったキリスト教勢力による十字軍の遠征は、イスラムと泥沼の戦いに。しかし優れたリーダーの決断で奇跡的な和平が実現する。その要因を、世界遺産の城などから読み解く。
 濱田が訪れたのはアフリカのルワンダ。30年前、隣人が隣人を殺す大虐殺が起こる。しかし人々は憎しみの連鎖を断ち切り、その後ルワンダはアフリカの奇跡と呼ばれる大発展を遂げた。それを可能にしたのは何か?」と㏋にある。


 やっと見つけた口腔外科のある歯医者に暮れの25日からほぼ毎週通っていて、昨日、帰宅後に東京ガスでガス漏れの点検に来たから立会い、いつもなら畑に残菜というか所謂生ごみを埋めに行くところだが、強風というかほぼ暴風のような風に怯み、取りやめて夕方の散歩に備えて体調を整えていた。
 たまたまTVの電源を入れたら、ルワンダの虐殺について、俳優の濱田岳が伝えていた。
 虐殺のあまりの酷さに気持ちが沈み、視聴することを続けられなかったが、どうしても書いておきたいことがある。

 2006年公開の『ホテルルワンダ』を観たいと思っていたのに見逃してしまい、今も悔いているのだ。
 炎症性腸疾患クローン病治療を理由に50代半ばを前に退職し、通教に入学していた頃で映画鑑賞の時間くらいあったはずだったが映画館に行かれなかった。

 若い頃から「自由」ということの大切さを考えてきたことから独裁者が大嫌いで、独裁者による反対者虐殺に大いに関心をもっていた。
 歴史上では800万〜1000万人が大粛清で殺害されたのではないかとされるのがソ連のスターリン、カンボジアのポルポトが150万〜200万人を虐殺したとされている。正確な数は調べようがない。
 ヒトラーのユダヤ人大虐殺、セルビアによるボスニアでの民族浄化という名の大虐殺やレイプなども起きている。
 アフリカのルワンダで多数派の民族フツが、少数派のツチの人たちを虐殺していることをメディアで知ったのは30年前頃のことだったと思う。
『ホテルルワンダ』は高級ホテルのマネージャーがホテルに身を寄せていた人1200人を救った実話が基になっていると紹介されていた。

 語り継ぐ戦争で発信している今となれば、ポレポレ東中野でリバイバル上映してくれる機会を待つよりないが勉強のためにも見ておきたい映画である。
 ベルギーの植民地だったルワンダは、宗主国であるベルギーにとっては、フツとツチの二つの民族が対立している方が統治するに都合がよいから、対立させていたのではないかという見方がある。

 沢山の仲間や親族を殺害されたツチの人々が憎悪で復讐せず、負の連鎖を断ち切ろうとしたことに頭が下がると同時にために平和を勝ち取ったことにエールをおくりたい。

 水俣病で村八分同様の差別を受けた語り部の杉本栄子さんが父親から「やり返すな!」と厳しく言われていたと話していたが、これも負の連鎖をを断ち切るためだったであろう。

 難しいことだが、負の連鎖はどこかで断ち切らなければならない。
 虐殺された人たちのことを忘れてはならない。