2025年02月10日

東京の伝統工芸 東京三味線

 2月1日の東京都の広報で、未来につなぐ 東京には、伝統工芸品42品目、切子、人形、甲冑、仏壇、籐工芸、刃物や洋傘、印章などがあると伝えている。
 その一部として江戸木版画、江戸木目込人形、多摩織、その工芸の技が紹介されている。
 使うほどに愛着が増す工芸品として「東京銀器」と「東京三味線」があることもまた取り上げられている。


 三味線といえば、連れ合いが箏、十七絃そして三味線のレッスンを受け、いくつかの合奏グループのメンバーになっていることから、それなりの数の楽器が集まっている。
 ついでに言えば、連れ合いはピアノが好きで、働いて自分で買い求めたというピアノを嫁いでくるとき、持参してきただけでなく、今日までレッスンも続けているが、生来、音楽に適性があるのか、カラオケでも、デュエットソングで上手にハモれる。
 
 楽器には神様が宿っているというのが自分の考えで、どういうわけか、我が家に数年前、津軽三味線一式がやってきた。
 親族の形見の品で、誰か大事にしてくれる人に受け継いでもらいたいような話だったので、せっかくだからということで、行きつけの三味線屋の主に師匠を紹介してもらい、古希を過ぎてからのチャレンジであるが連れ合いと一緒に始めてから、3年が経ち、初心者が習うという「六段」を弾けるようにはなった。

 さて、東京三味線である。
 金土日のNHKマイあさラジオの田中逸人さんは大学の時、邦楽を楽しんでいたとのことで、邦楽器を紹介している。 
 演奏者を招いて、楽器の演奏と説明をしてくれているので貴重な放送となっている。
 東京の広報では、ただ「東京三味線」とだけ紹介していたので、詳しいことがわからなかったが、自分の知っている知識で説明すると、三味線には太棹、中棹、細棹とあって、それぞれ、演奏するものが異なる。

 まず、太棹といえば、義太夫と上述の津軽三味線がある。
 中棹といえば、民謡で阿波踊りや風の盆で使われているし、地歌で箏などと合奏したりもする。
 歌舞伎の常磐津や清元も中棹が使われているのではないか。 
 細竿は長唄で歌舞伎などで知られているが、芸妓がお座敷で長唄を披露するとき、地方として立ち方の日本舞踊を支える役割も果たす。

 三味線は三絃ともいうが、皮が破れることがあるので、保守で注意が足りないとその分費用が掛かるので、カネがないと習い事を続けるのはなかなか骨が折れるかもしれない。
 因みに、皮の張替えは松竹梅ならぬ上中下みたいに値段に差がある。
 尺八が鳴らしにくいので、製管で著名な人に手を加えてもらった時の代金が片手だったが、まあ、そのくらいは見込んでおけば大丈夫かも。
 津軽三味線が3年で2回破れたから、皮は破れる、陶器は割れると考えた方がいい。

 東京都の広報が紹介していた「東京三味線」とは中棹あるいは細棹の三味線のことかなと思うが、地歌は江戸時代から続いているはずだし、その意味で中棹もまた江戸時代から伝承されているのではないか。

 TVドラマ必殺シリーズで、三味線屋が出ていたし、山田五十鈴が実際に三味線を弾いていたのを眺めていたが、細棹と中棹を弾き比べていないので、詳しい違いについてはそこまで明るくない。
 我が家にあるのは中棹であるが、細棹かと思えるような三絃も頂戴したものがある。

 伝統芸能として、三絃は欠かせない。
 芸妓が三絃なしでは、日本髪でないのと同じで様にならない。
posted by 遥か at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統芸能、伝統工芸