月に一度の映画館行き、2025年1月は冤罪を訴え、繰り返し再審請求をしつつも、八王子医療刑務所で病死した名張毒ぶどう酒事件死刑囚の奥西勝さんの再審請求を引き継いだいもうとの岡美代子さんにスポットを当てたドキュメンタリー『いもうとの時間』を観てきた。
唯一の再審請求人、岡美代子94歳。彼女がいなくなる時、「事件」は闇の彼方に消える― 生きている限り―真実を待つとちらしにある。
「えん罪・名張毒ぶどう酒事件・東京の会」という奥西勝さんの無実を訴え、再審請求を支援している会のメンバーになっている関係で、年末カンパを呼びかけられ、送金したばかりだった。
東海TVが制作した『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』を観て、奥西勝さんの無実を信じ、再審請求を支援することにした。東海TVは名張事件の奥西勝さんのえん罪を訴え、再審請求をする様子を伝える番組をTVで放送したものを映画化しているが、奥西勝さんが八王子の医療刑務所で病死した後、裁判を引き継いだ妹の岡美代子さんのことを柱に映像化した。
94歳と高齢のため、国家権力は岡さんが亡くなるのを待っているとしか思えない対応をとってきた。
今回の映画が最後だと東海TVの関係者は発信しているみたいだが、この映画を観れば、真実の追求を放棄してしまった国家権力の代行者検察に対し、弁護団の活動を紹介という形で異議を唱えているかのようだった。
結果的に、えん罪名張事件は国家権力の犯罪ということがよく理解できるはずだ。
やはり、法律で再審請求手続きに関する決め事をしなければ、えん罪の人が救われないことがわかった。
決め事の一つは、検察が持っている証拠の開示をすることである。
被告人に有利になる証拠を開示しないということは、被告人がえん罪であってもかまわないということでもある。
自分があるいは自分の家族が、親族がえん罪で捕まったらと考えると誰が犯人でもよいと考え、真実を追求しないということでは恐ろしいことになってしまう。
1審で無罪となった被告が2審で死刑判決が出され、そのまま確定してしまう。
一度は認められた再審請求が上級審で覆ってしまう。
国家って何のためにあるのか。
自分が国家権力というものを全く信用していない理由がここにある。
この映画を一人でも多くの方に観てもらいたい。