2025年01月24日

矯正展の製品 買い求めて!

 「東京春秋」 316という囲み記事を1月19日の読売の地域版でみつけた。
 書いていたのは石井恭平記者で「矯正展の製品 高い品質」という見出しで、自身が使っている刑務所受刑者の製品である靴を例に品質が良いので、多くの人に一度は手にとってもらいたいとお薦めしている。

 石井記者は足で稼ぐといわれる仕事柄、靴を何足も履きつぶしてきたが、愛用してきたのは疲れにくくて安価な受刑者の製品だという。

 初めて買い求めたのは5年前。受刑者が刑務作業で作った製品を展示販売する「矯正展」だった。
今、愛用しているのは徳島刑務所の受刑者が作った靴であるが、そろそろ新しい靴をと、都内で開かれた矯正展を訪れるも靴はなかったので、2歳の娘のために川越刑務所で作られた1200円の積み木を買って帰った。
 徳島刑務所の作業専門官池本輝勝さんが「偏見を持たずに良いものを良いと認めて使ってもらったら嬉しい。受刑者も社会とつながることで励みになる」とのこと。

 公益財団法人矯正協会によれば、販売している製品の種類は3000品以上。
 売り上げの一部は犯罪被害者支援団体への助成金に充てられている。受刑者の社会復帰を促すとともに、犯罪被害者の支援にも役立てられている刑務所の作業製品。多くの人に手に取ってほしいと願う。


 連れ合いと結婚すると決めたのは、父親が病死した時、38歳だった母親がそれから頑張ってくれたのに、一人にできないので、同居してほしいとお願いしたところ、嫌な顔せずに了解してくれたことである。
 世間では嫁姑の対立などが少なくないことを承知していたので、その対策も兼ねて、仕事はできるだけ続けてもらいたいことと、定年前に自分を退職させて自由にしてほしいことをお願いした。

 結果、50代半ばを前に退職し、貴重な自由を手に入れたのだが、新たに我が家の大黒柱になってくれた連れ合いに協力しなければならないので、近くのスーパーに食料品や日用品を買い出しに行くことを引き受けた。

 前置きが長くなったが、そのスーパーで定期的に矯正展というか、受刑者の手掛けた製品を販売しているのを見つけたのである。
 犯罪被害者支援を訴えていたので、究極の犯罪被害者支援である受刑者の更生のためにできることをしようと考えていたところだった。
 家具などの木工品は家具屋で販売している品物と甲乙つけがたいほど見事なものだったが、生憎、家具類は新しいものを買う予定はなかった。
 連れ合いが靴下を洗う石鹸を以前買い求めていたのを知っていたので、探したがいつもあるとは限らなかった。
 そこで、見つけたのが今でも愛用している布製の大きめのバッグで、これを買い物の時には必ず持参している。
 受刑者の更生だから、偏見など全く持っていない。自分の母親は昔気質の人間だから、一度でも悪いことをした人間には厳しかったが、連れ合いは自分と同じで製品が良ければ、偏見など全く持たずに使ってくれている。

 その買い物も、連れ合いが退職し、コロナ渦になってからは感染を恐れて行かなくなってしまったので、刑務所の製品展示販売会にもしばらく行っていない。

 更生といえば、農業の後継者、担い手不足を農福連携と農刑連携で補うことを提唱してきた。
 確かに、職人というように手に職ということが大事だということくらいわかっているが、農業、林業などの一次産業の担い手不足は深刻なことになっているからこそ、受刑者の就労の場としての農業について考えるときがやってきている。
 農業といっても、有機無農薬での農業である。
 受刑者の作った有機無農薬の野菜をスーパーに並べてもらうことで、受刑者の更生がさらに人々の身近になっていく。