2025年01月18日

海藻育てCO₂削減 日本先駆け ブルーカーボン

 海藻類を育てることで二酸化炭素(CO₂)を削減する取り組みが国内で広がっている。海藻類が光合成によって蓄えた炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、海に囲まれた日本はその量を大きく増やせる可能性がある。
 ブルーカーボンは、審査機関の認証を受けるとクレジット(排出枠)として売買でき、脱炭素のための活動資金を得られる点もメリットだ。と1月15日の読売(二階堂祥生編集委員)が解説の紙面で伝えている。

 陸上の森林などによって蓄えられた炭素を「グリーンカーボン」と呼ぶのに対し、ブルーカーボンは海域での吸収・貯留分を指す。
 対象は4種類で、昆布や若布といった海藻、アマモなどの海草、マングローブ、湿地・干潟がある。

 日本がCO₂の吸収量を算定する方法を考案。2022年度分を約35万dとしたうえで、2024年、世界で初めて国連に報告した。

 国内での森林によるCO₂の吸収量は22年度に約4500万d。人工林の高齢化で今後、減少していく見通しで、ブルーカーボンの重要性が高まるとみられる。
 しかし、地球温暖化の影響による海水温の上昇や食害等で海藻や海草消失している。藻場の再生プロジェクトが全国で展開されており、政府が支援に力を入れている。

 プロジェクトの例として、北海道福島町、岩手県洋野町、関西国際空港、広島県尾道市、長崎県壱岐市などの取り組みが紹介されている。


 「海藻育て」と耳にして、「NHKプロジェクトxえりも岬に春をよべ〜砂漠を森に・北の家族の半世紀〜」で取り上げられた襟裳岬の緑化への取り組みを思い出した。
 砂漠化し、「襟裳の春は何もない春」とまで歌われた土地を緑化し、豊饒の海をよみがえらせた話である。
 砂漠化した土地を緑化するのに使われたのが海草のゴダだった。
 この取り組みは自分の一番好きな話である。
 地球上の砂漠を緑化できたらという夢を抱く自分としては海草を敷き詰めることで、砂漠化した襟裳に植林するということに激しく心を揺さぶれた。

 海藻といえば、昆布は鰹節と並んでダシの王者みたいなものだし、若布はみそ汁の具としては豆腐と並んで定番となっている。
 ひじきと油揚げの煮物となれば、定食屋の定番の煮物でもある。
 海藻では、沖縄の黒酢を使ったモズクを毎日食している。そういえば、沖縄でアカモクを食したことがあった。
 海藻は健康な体のためになる食品として推奨されている。
 バランスの良い食事といえば、肉や野菜などを上手に摂ることだろうが、人間の体に野菜が必需品なら、海藻だって必需品の一つにちがいない。

 人間が食して佳く、CO₂削減に役立つというのだから、もっともっと海藻のことを研究していくことが求められる。

 「藻場造成 企業が積極参入」、「出資や実証事業」という見出しで取り上げられているCO₂削減に役立つ海藻を育てようとする機運が盛り上がることを期待したい。
posted by 遥か at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題