大分県で2024年5月、竹工芸の米国人専門家2人が若手作家を対象とした公募展を初めて開催した。竹工芸が海外で芸術作品として人気を集めていることを象徴する事例。
活気ある日本の竹工芸界をリードする大分県では10月、県内2人目となる竹工芸の重要無形文化財保持者(人間国宝)岐部笙芳さん(73)も誕生した。と12月25日の読売(井上裕介記者)が伝えている。
公募展の審査は、米国のメトロポリタン美術館やサンフランシスコ・アジア美術館の学芸員らが務めた。
日本の竹工芸を欧米に紹介してきた専門家ロバート・コフランドさんは、大分で開催した理由を「若い志望者からベテランの作家までが多く集まっている。県が運営する授業料無料の竹工芸訓練センターで基礎を学ぶことができ、美術館などで先輩作家の作品を観る機会も多い」と語る。
大分県は竹工芸で主に用いられる真竹の生産量が全国1位。籠などの生活用品や温泉地の土産品として作られてきた歴史は古く、室町時代に遡る。
1967年には竹工芸を「用の美」から芸術の域に高めたとされる生野祥雲齋がこの分野で初めて人間国宝に認定された。
今回受賞した中臣一さん(50)は「時代に流されない原始的な手作業が魅力。限られた人しか作っていない竹工芸のオリジナリティーが、海外では評価される」と実感しているそうな。
中学生の時、修学旅行列車で京都、奈良に行った。
後年、京都は何回か行っている。当時、竹林で知られる嵯峨野に行ったかどうか定かでないが、土産に買い求めた竹工芸作品が60年後の現在も棚にある。
1975(昭和50)年ごろ、仕事で行った福井で越前竹人形を2体土産に買い求めた。
虚無僧と芸妓を模った作品で、芸妓の竹人形はあれから50年経った今も、棚に在って、自分を見つめてくれているが、虚無僧は知人にプレゼントしてしまった。
20代の終わり頃、尺八を始めた。当時、25万円もした尺八を買い求め現在も吹いているが、竹製品は何だか不思議な縁を感じないわけにはいかない。
語り継ぐ戦争で宇佐海軍航空隊の跡地を訪れた時、湯布院に泊まって宇佐までタクシーで行ったときのこと。
温泉の老舗別府に対し、今や観光地としてよく知られた湯布院の土産物店には竹細工がそれこそ多量に販売されていた。
ということで、大分が竹工芸の一大産地であることは知っていた。
しかも、竹工芸で使われるのが真竹だというではないか。
実は尺八も真竹でつくられているのだ。
「竹工芸は海外での評価が高く、浮世絵が19世紀に西洋でジャポニズムを巻き起こした現象に近い」と公募展のコーディネーター米山佳子さんが指摘していることと自分の考えは一致している。
さらに、認知症への予防対策として、竹工芸を筆頭に手工芸を学校教育、社会教育に取り入れることを提案したい。
認知症が滅茶苦茶増えているが、指先と頭を使う竹工芸や手工芸、織物などを続けている人は認知症にならないのだ。
断言できる。
指先を使わない人間はボケることが少なくない。
竹工芸は海外の富裕層をターゲットに輸出すれば、浮世絵の再来の時代がやってくる。