2025年01月01日

年の初めに「命」を考える

 加齢による急激な心身の衰えでピンチだった2024年が行き、明けて2025年を迎えることができた。
 正月元旦に生きていることを実感するなんて、記憶にないが、有り難いことだとご先祖に感謝している。

 年の瀬にNHKの「ドキュメント72時間」のセレクト2024年放送のベストテンというのか、印象に残っている作品が放送されたのでベスト3まで視聴した。

 順位などどうでもいいことだが、別府温泉で貸間を湯治場よろしく長逗留する99歳の男性がいた。
 一方で、連れ合いがガンで顔色が土気色というご夫婦がこの貸間にやってくる。
 放送後、連れ合いが亡くなったと知らせる夫からの手紙を読む女性タレントが涙を流す。すると自身原発不明ガンで闘病中だと言う山田五郎も身につまされたかして涙ぐむ。
 件の99歳の男性はめでたく100歳を迎えたという。
 明らかに若い方が先に逝き、めでたく長寿の人は100歳を数えることができたのだ。

 さらに、中国のガン病棟のある病院には、家族が患者のために調理するキッチンがあり、そこでも、ドラマが患者の数だけあった。
 連れ合いをガンで亡くした男性が生きる支えを失った様子は気の毒で掛ける言葉もみつからない。

 鳥取にある墓地で盂蘭盆会に松明をかざして、死者を迎える家族の様子で死者のことを忘れてはいけないということをドキュメントしてくれたのも忘れ難い光景だった。

 2024年は正月元旦早々、能登半島を襲った地震で多くの大事な命が奪われた。
 世界に目を転じれば、ウクライナに侵略したロシアが北朝鮮の援軍を得て、攻勢に転じ、ウクライナの苦戦とさらなる犠牲者増が伝えられている。
 中東のパレスチナでは、イスラエルがハマスへの攻撃を続け、ガザ地区の犠牲者は増えるばかりだ。

 正月を無事に迎えたはずでも、10代に富士五湖の本栖湖にキャンプに行った仲間が2024年の夏に亡くなった。
 一緒だったもう一人は、3月から人工透析を始めたという。

 それでも、2025年が明けて、この1年家族や近しい人たちだけでなく、大事な命が災害、戦争や犯罪、事故、そして、病気などで失われることが少なくなるように願っている。