2024年12月16日

和釘 1000年さびない法隆寺にも使用

 日本古来の木造建築には、日本独自の製鉄技術で作った金物「和 釘くぎ 」が使われている。建立から1000年以上がたつ法隆寺(奈良県)や薬師寺(同)からさびていない和釘が発見されて以降、失われた製鉄技術の研究と再評価が進んだ。朽ちない鉄「和鉄」は、どのようにして生まれたのか。という日本の伝統芸能や伝統工芸に関心のある立場から興味深い内容について、12月5日の読売が夕刊で伝えている。

 明治時代に西洋の製鉄技術が入ってくるまで、日本で主流だった「たたら製鉄」の技術で作られたのが和鉄だ。和鉄はさびにくく、鉄同士で接合しやすい特徴がある。
 和鉄の原料は砂鉄だった。

 和鉄が注目されたきっかけは1962年、日本鋼管(現・JFEホールディングス)の梅沢義信氏らが発表した論文だ。法隆寺の金堂にあった創建時(607年)の和釘が、ほとんど腐食していないことを報告。それから和鉄の秘密を探る研究が進んだ。

 竹中工務店と日鉄テクノロジーが「朽ちない鉄」の再現に挑戦した。原料は鉄鉱石を使ったが、炉で溶かす時に酸素を残すように調整。途中でリンやニッケル、コバルトを添加した。

 両社が現代版の和鉄「REI―和―TETSU」を共同開発した。2023年、福岡県にある国の重要文化財「太宰府天満宮末社志賀社本殿」の修理で、現代版和鉄の釘448本が使用された。


 日本の伝統建築で作られている神社仏閣は宮大工と呼ばれる人たちの技術力で建築されてきた。世界で最古の木造建築とされている法隆寺に対し、現代の鉄筋コンクリート建築ではその寿命において勝てないことを知った。
 鉄は錆に弱いという弱点があり、克服できていないからだ。

 ドイツ人の建築家カール・ベンクスさんが越後の十日町の竹所で古民家を移築し、水回りや暖房器具を現代の最新設備で居住環境を住みやすくした建築が好評である。
 古民家は伝統的は工法である木造軸組というのか、柱や梁を釘など使わずに組み合わせることで、釘などの劣化を免れるように建築されてきた。

 だから、長持ちするわけだ。
 木材は雨に濡らさず、湿気なければ、長持ちするのだ。

 日本人ではないドイツ人のカールさんに教えられた日本の古民家の素晴らしさ。
 しかし、古民家は生活するには不便であったが、現代と融合させることで住みやすくなるように工夫している。
 例えば、水回りはトイレは無論、水洗でシャワートイレに給湯設備でいつでもお湯が使え、冬の寒さにはセントラルヒーテイングならぬ薪ストーブで、間仕切りの少ない建築物は部屋全体が温まるように工夫されている、

 さて、和釘であるが、先人の知恵ともいうべきもので、鉄の錆び対策が法隆寺ができた時代になされていたことに驚く。

 これからは木造建築物を長持ちさせるために和釘をもっと普及させていかなければならない。
posted by 遥か at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統芸能、伝統工芸