2024年11月19日

季節や天候の影響を受けない地熱発電で地域活性化

 GEOTHERMAL SYMPOSIUM クリーンなエネルギーが暮らし豊かに 第12回 地熱シンポジウム in 函館が独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構[JOGMEC]の主催で開催された。内容を11月16日の読売が広告として伝えている。

 「JOGMEC」理事長の高原一郎さんの開会あいさつで、「日本のポテンシャルは、アメリカ、インドネシアに続き世界3位となる約2347万kwと推定され、純国産のクリーンなエネルギーとしてのさらなる活用に期待が高まっている」という。
 地熱発電の特徴として「発電の際に発生した熱水を観光復興や農業へと役立てる二次利用が可能で、地域と共に共存共栄するエネルギーだ」というのは閉会のあいさつでの経済産業省北海道経済産業局長鈴木洋一郎さんの弁だ。

 興味を持ったのは「大地のエネルギーで農園栽培」という見出しで紹介されているクロストーク2だった。
 森・澄川第一地区ハウス利用組合伊藤博之さんが森発電所から出る発電に利用しない熱水をビニールハウスの熱源としているというのだ。
 結果、秋と春との2回、トマトを出荷しているということで、年間を通じて安定して野菜を栽培できるようになったというのだから、食料自給率の向上を願っている立場として大いに喜んでいる。
 南国フルーツの代名詞みたいなマンゴーを北海道で栽培している株式会社ノラワークスジャパン代表取締役中川裕之さんは、雪と地熱を栽培に活用し、希少な真冬のマンゴーを栽培することができている。

 地熱が地域にもたらす利益は冬場に農業ができること。エネルギー収支のうちから3割ほど削減することが可能だから雇用の安定につながる。


 北海道函館といえば、社会人になって、初めて北海道に旅行した時、上野発の夜行列車を降りた青森から乗った青函連絡船の着いたところが函館だった。
 後に行った小樽同様坂の多い街だった印象である。
 高倉健の『居酒屋兆治』の舞台になった土地でもある。

 退職してから始めた語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚も含めて、計4回行っている印象として、温泉が多いことから、地熱はふんだんに活用できるだろうということ。

 ヒグマがいて、大自然が豊かな分、夏はともかく、雪が降るし、寒い印象で暮らすのにこれほど大変な土地はないだろう。

 アイヌ民族が住んでいた土地で、戊辰戦争で敗者となった幕府側の人たちが開拓民として渡っている。
 樺戸集治監があったり、網走刑務所や旭川刑務所があることで犯罪学を勉強しているとすぐに頭に浮かぶ。

 クリーンなエネルギーだと電事連が宣伝している原発は事故が起きれば、解決に気が遠くなるほどの年数がかかり、事故が起きなくとも使用済み核燃料の処分もできないということで、原発に反対してきた立場から、再生可能な自然エネルギーの活用を訴えてきた。
 再生可能な自然エネルギーといえば、まず、太陽光、次いで、風力となるが、季節や天候の影響を受けやすいという弱点があるのに対し、季節や天候の影響を受けることなく安定的かつ持続的な発電が可能なのが地熱発電である。
 地熱利用の最大のネックは温泉がダメになるという風評である。
 温泉がダメになるという確かな根拠はないが、温泉で客を呼ぶ観光地にしてみれば、死活問題だから、心配することは理解できる。
 地熱のポテンシャルが米国とインドネシアに次ぐという日本は、火山大国、地震列島だからこそ、神様が地熱を使えるように恵んでくれたのではないかというのが自分の考えである。
 それだけたくさんの温泉があるのだから、温泉が枯渇する心配はないだろう。
 
 それよりも、人が住むにはあまりにも大自然が立ちはだかる北海道のことだから、地熱を有効活用して、農業を活性化させ、人が住めるようにしていくことが重要だ。

 ということで、まずは、北海道が地熱活用のモデル都市みたいになってもらいたい。
posted by 遥か at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題