2024年10月29日

福井中3殺害 再審決定 証言うその疑い

 福井市で1986年に起きた女子中学生殺害事件を巡り、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)の第2次再審請求審で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は23日、再審開始を認める決定を出した。有罪の根拠となった目撃証言について「警察が不当な働きかけを行い、うその証言が形成された疑いが 払拭できない」と判断した。とメディアが伝えている。

 10月24日の読売によれば、前川さんは87年3月の逮捕後、一貫して否認。前川さんが殺害したことを示す直接的な証拠はなく、「事件後に着衣に血の付いた前川さんを見た」などとする知人6人の証言が有罪の根拠となった。第2次再審請求審では、6人のうち1人が「本当は前川さんを見ていない」と説明を覆し、弁護団は「無罪を言い渡すべき新証拠」と主張した。

 この日の決定は、今回の再審請求審で検察から開示された証拠287点のうち、テレビ番組に関する捜査報告書に着目した。

 この知人が確定審で「事件の日に見ていた」と述べた番組について、実際はその日に放送されていなかったことを踏まえ、「警察の誘導により、ありもしない体験を述べた供述が作り出された」と指摘。説明を覆した今回の再審請求審の証言と、捜査報告書を新証拠に位置付け、目撃証言の信用性を否定した。

 決定は、検察が確定審段階から捜査報告書の存在を把握していたのに明らかにしなかったとし、「罪深い不正行為だ」と非難。確定判決についても「虚偽供述の危険性をいいかげんに扱ったと批判されてもやむを得ない」と述べた。

 前川さんは確定審の福井地裁で無罪とされたが、高裁金沢支部で逆転有罪となった。心神耗弱状態で懲役7年とされ、97年に最高裁で確定した。服役後の第1次再審請求で、2011年に再審開始決定が出たが、その後、取り消され、22年、有罪とした同支部に第2次再審請求を申し立てていた。


 名張の毒ぶどう酒事件で冤罪を訴え、再審請求中に八王子市の医療刑務所で病死した奥西勝さんの再審請求を妹の岡美代子さんが引き継いでいる。
 しかし、再審開始は認めらず、今日に至る。
 「えん罪・名張毒ぶどう酒事件・東京の会」のサポート会員となって、再審開始が認められるように応援している立場としては、国家権力の代行者である検察、検事と裁判所の判事が真実の追求をしない人たちであるか世間に知れ渡っている。

 というのも、袴田事件の再審が認められ、結果、袴田さんの無罪が確定したばかりで、有無を言わせぬ証拠がなく、自白に頼ったり、状況証拠に頼った過去の、それも少し前の事件では、かなり冤罪が起きていることが証明されているからだ。

 読売は10月24日のスキャナーで「開示証拠 決め手」「捜査報告書 証言と矛盾」「把握しながら立証 検察を非難」「証拠隠せぬルールを」「制度見直し議論 影響も」という見出しで、開示させた証拠が再審開始の決め手となったことについて詳しく伝えている。

 10月29日の朝のマイあさラジオでは、福岡の飯塚事件の再審開始請求に関し、証拠を開示するようにということが求められたと伝えていた。

 警察は平気で証拠を隠すし、それを知っていながら検察は立証してしまう。ここに冤罪ができる構図がある。

 裁判所は名張事件では一審で無罪を言い渡しているし、福井事件でも一審無罪が言い渡されているように疑わしきは罰せずという裁判の原則に基づき、無罪判決を言い渡した裁判官もいる。

 名張事件では一審無罪が高裁で死刑判決となってしまったことを考えれば、誰でもが納得できる証拠がなければならない。そんな証拠はないが、あっても、警察、検察は証拠を開示してこなかった。
 自分たちが不利になるからだ。

 大阪の検察のトップだッた検事正が部下の検事の女性に性的暴行をし、「お前は俺の女だ」と言ったと伝えられている。

 検察のトップが部下の検事の女性に性的暴行する前、大阪の検察では証拠の捏造が行われた。

 これでは、警察、検察を信用できない。
 日本の司法、警察、検察は証拠に基づいて容疑者を逮捕すべきで、被疑者とするなら、その証拠の裏付けを取り、裁判では証拠を開示すべきだ。

 衆議院議員選挙と最高裁判所の裁判官の国民審査があったが、名張の毒ぶどう酒事件の再審を認めなかった人に✕をつけたことを書いておく。