2024年09月28日

『荒野に希望の灯をともす』医師・中村哲 活動の軌跡

 月に一度の映画館行き、9月は谷津賢二監督、劇場版『荒野に希望の灯をともす』医師・中村哲 現地活動35年の軌跡をリバイバル上映だというポレポレ東中野で観てきた。
 アフガニスタンとパキスタンで医師として病に苦しむ人たちを助け、病気の主要因として栄養失調があることを見抜き、農業が不調となった干ばつ対策として、医師にもかかわらず、灌漑事業に取り組んだ中村哲先生の35年間の軌跡を追ったドキュメンタリーである。

 TVで取り上げられていたことから、概ね活動内容の素晴らしさは承知していて、敬意を表していたその人である。
 知らなかったこととして、パキスタンペシャワールのハンセン病棟での医療活動のことがあった。
 2000年になるとアフガニスタンに大干ばつが襲来する。飢えと渇きで瀕死の住民が押し寄せるや、対策は食料の自給自足と活路を見出し、医師でありながら灌漑用水敷設事業に取り組む決心をする。

 ソ連軍撤退後、9・11米国同時多発テロ発生後の米軍による空爆の下、素人所以の技術的な力不足に自らの息子の死など幾多の困難を故郷福岡朝倉市の山田堰敷設を参考に学習するなどして、7年かかってついに灌漑用水路を完成させる。
 灌漑用水で荒野は緑の大地へと蘇り、農業が復活し、人々の笑顔も戻るのだ。

 一人の医師とスタッフ。医師のリーダーシップで医師から土木技師に変身し、灌漑用水敷設という全くの専門外のことにチャレンジする姿に一人の偉人、歴史に残る偉人の大きさを思わされた。

 ときあたかも、自民党総裁選で裏金議員13人に推薦された女性候補。A級戦犯が合祀され、天皇もお参りしない靖国神社にばかりお参りしたがり、千鳥ヶ淵の国立戦没者墓苑にはお参りしている様子が伝わってこない女性候補。約束を守らず政策バンフを配布した狡さ。反日、反社の旧党一協会とズブズブの関係だった人たちの支援を受けている右寄りだとレッテルが貼られている女性候補が一時は総裁に選ばれそうだと聞いて驚いたが、結果的に極端な右寄り発言など伝わってこない男性候補が選ばれた。

 自分たちで法律を作り、その法律を守ろうともしない自分さえよければいい自民党の裏金議員が推薦している候補が勝たなくてよかった。
 反日反社の統一教会と関係がある人に支援されている人が総理になったら大変だ。
 解散命令など出せるわけがないからである。

 脱線してしまったが、高邁な理想を抱くのは大事なことだが、世のため、人のためにがんばれる。
 これぞ、リーダーに一番欲しい資質だ。

 アフガニスタンで命をかけて奮闘した中村哲先生のご冥福を改めてお祈りするとともに、人間の生き方として、大いに参考になったことも書いておきたい。

 上映後、谷津賢二監督の講演があり、中村哲先生の人柄や映画で流れる音楽のピアノ演奏は娘さんが担当などの説明があった。