2024年09月10日

罪と赦し 協力雇用主が支える出所者の暮し

 NHK ETV特集 「罪と赦し 〜出所者たちの記録〜」を視聴することができたので、犯罪被害者支援の立場から書いておく。
 
 「栃木県にある建設会社。従業員の8割が刑務所を出所した人や元暴力団員だ。現場でのトラブル、仲間とのケンカ、逃亡…「よその会社じゃクビだぞ!」社長の廣瀬伸恵さんは、それでも人生のやり直しを支え続ける。
 刑法犯の再犯者率が、50%近い日本。再犯を防ぐために国は、民間の雇用主を頼る。廣瀬さん自身も、かつて服役した元暴走族総長だった。罪と向き合い、新たな一歩を踏み出すために必要なこと。1年の記録から見つめる。」と㏋にあった。


 栃木県で建設人材サポート会社大伸ワークサポートを経営する廣瀬伸恵さん。
 「わたしは決して見捨てたり、見放したりしません。私自身もやり直すことができたのだから、人は誰かの支えで必ずやり直すことができる」と取材に応える。

 龍谷大学浜井浩一教授は「再犯させないために出所者を孤立させてはいけない。」出所者を支える人の存在が重要であると語っている。

 幸いにも、自分は刑務所に入所したことはないが、病気治療を理由に連れ合いに頼み込んで、50代半ばを目前に退職したことで自由を手に入れることができた。
 学生時代、全共闘世代だったことから、卒論も書かず、ロックアウトというのか、大学に行ったと大きな声で言えないことを恥じていたので、通教ではあるが、入学し、卒論も書いて一応、学卒の真似事をし、犯罪被害者支援を訴え発信することにした。

 卒論で口頭試問を担当していただいた教授がその道の専門家だったことから、究極の犯罪被害者支援は出所者の更生だと気づき、出所者の更生にも力を入れ、受刑者の製品の販売会では積極的に買い求め、使うようにしてきた。

 協力雇用主である廣瀬伸恵さんは自身が出所者で、立ち直ったことをきっかけに出所者を支える側に立ち、会社を設立し、出所者を積極的に雇用してきた。

 協力雇用主とは異なる立場であるが、元山口組の幹部だった竹垣悟さんが堅気になって、組を抜ける人や出所者の更生の仕事をしているとのことで、YOUTUBEチャンネルを開設している。
 元その筋の人間でも、現在堅気で、しかも更生の仕事をしているということで、竹垣悟さんを応援しているが、視聴していると顔が怖いので、こういう人でないと更生の仕事は難しそうだ。

 しかし、出所者の立場から見れば、自分を支えてくれる人だから、普通の人間なら支えてくれる人を裏切るなんてことはできないはずだが、何しろ、出所者のことだから、裏切りもやらないとは言い切れない。

 更生させるには、孤立させないことが一番で、できれば、一緒になって、支え合えるパートナーが見つかれば、更生その確率はさらに高くなる。
 
 社会としては、更生してもらうことが一番で、きちんと働き、税金も納められるようになればいうことなしだ。