旧日本陸軍などが国立ハンセン病療養所・菊池 恵楓園 (熊本県合志市)の入所者に投与し、死亡例が出たと疑われる薬剤「 虹波 」について、別の二つの療養所でも投与されていたことがわかった。多磨全生園(東京都東村山市)と大島青松園(高松市)の計355人で、国立ハンセン病資料館(東村山市)で記録をまとめた資料が見つかった。と9月5日の読売が伝えている。
資料は、日本皮膚科学会が1947年に刊行した学会誌「皮膚科性病科雑誌」。同誌によると、多磨全生園では時期は不明だが、175人に投与された。うち72人は合併症などを理由に3か月以内で中止され、その他は4〜8か月間にわたって継続された。大島青松園では44〜46年、180人が対象となった。
虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で、ハンセン病の治療に向けて臨床試験が行われた。
FNNプライムオンラインでは、人体実験を受けさせられた入所者の証言ともいうべき体験を紹介している。
旧陸軍の幹部たちは陸軍士官学校、陸軍大学を卒業するという学業成績が優秀な人たちだ。
満州(現中国東北部)で中国人捕虜をマルタと呼んで人体実験した所謂731部隊の石井四郎部隊長は京都帝大医学部卒でその部下たちも学業成績が優秀な人たちばかりである。
今、部下の公益通報者を自死に追い込み、公益通報者保護法違反容疑で議会で追及されている知事も東大卒らしいから学業成績だけは優秀だったであろう。
自民党総裁選に立候補を表明した党の要職にあって、弱い者いじめかつ人望がないことで知られる人も東大卒だから、さぞや学業成績は優秀だったはず。
CAさんをいじめた北海道の参議院議員も威張り腐ったいじめっ子で、なぜ、こんな奴が議員なんだと思わせられる。
これらの人に共通するのは、自分は優秀で選ばれたという選良意識みたいなものを勝手に抱き、自分より下の人間を馬鹿にする傾向があることだ。
ハンセン病患者なんて人間だと思っていなかったから、実験材料にしてもなんとも思わなかったに違いない。
いくら中国人捕虜だからと言って、マルタと呼び、人体実験の材料にしたことは中国人を見下し、捕虜だから、戦利品と見做し、人間とは思っていなかったからマルタと呼んで平気で人体実験したのであろうよ。
世の中には人の上に立つ器でない人間がいるが、件の知事はその典型ではないか。
さて、国立療養所多磨全生園に行ったのは2016年6月のことだった。
納骨堂の前で供養のために尺八を吹くのが目的だったが、広い園内を散策させてもらい、資料館も見学したが、ガイドの説明でもないと、一度行ったくらいではよくわからず、人体実験があったようなことは書いてなかったような記憶である。
資料が最近見つかったとしても、園内で結ばれた夫婦が子ども持つことができなかったことは、『かづゑ的』という映画で知ることができたようにメディアなりが取り上げてくれなければわからないことが多い。
多磨全生園は誰でも見学できるので、一度見学することをお薦めしたい。