造船現場で作業中にアスベスト(石綿)による健康被害を受けたとして、元労働者らが国に損害賠償を求める民事裁判を相次いで起こしている。
国は、建設労働者に対する石綿被害の責任を認めた2021年の最高裁判決を受けて給付金制度を設けたが、建設業に次いで被害の多い造船業は対象外だ。と8月22日の読売が夕刊(駒崎雄大記者))で伝えている。
提訴したのは、千葉県市原市の小杉山辰哉さん(72)で、紙面で紹介される前、提訴した2024年2月14日にNHKが伝えていた。
国際労働機関(ILO)が1972年に石綿の発がん性を指摘。国内でも95年から段階的に使用禁止となり2006年に全面禁止された。
厚労省によれば、07年度から2023年度に石綿関連の労災認定を受けた人は、建設業(約1万5000人)、製造業(約7200人)、製造業の中で最も多いのが造船業(約2100人)だ。
08年以降、元建設労働者らが国と建材メーカーを相手に損害賠償を求める動きが広がった。
最高裁は21年の判決で国とメーカーの責任を認める統一判断を示し、防塵マスクの着用を義務付けなかったことなどを違法と認定。国は被害者一人当たり最大1300万円を支払う給付金制度を創設したが、対象を建設業に限定したため、造船労働者には給付金が支払われていない。
原一男監督『ニッポン国VS泉南石綿村』を観て石綿(アスベスト)被害に関心が高くなった。
肺をやられたら、息ができない。それは苦しいに決まっている。
肺がんは喫煙と深い関係があると思っていたから、喫煙より厳しい石綿を防塵マスクをつけずに長期に吸い込めば中皮腫や肺がんになるだろう。
尺八を吹くから、息を吸い込むことには大いに関心がある。
尺八は腹式呼吸というか、しっかり息を吸い込み、唇を極細くして、無駄に息を使わないようにしないと音が続かない。
肺は昔は結核で悪くする人が多く、先年亡くなった母親の身内は若い頃結核で亡くなったりしている。
肺を病むって、息ができなくなるのだから、苦しいだろうと想像する。
石綿っていつ頃から建材として使われていたのか詳しいことはわからないが、昨年、土蔵を解体した時は大丈夫だったのかと心配になる。
昭和の初めの建築だと耳にしているから、多分もう使われていたのかもしれないけれど。
花粉症で毎年、薬を服用しているが、薬を処方してもらう前、夜中に鼻が詰まり、苦しくなったことがある。
鼻が詰まった程度でも、息を吸うことに大いに影響するくらいだから、アスベストの被害者のつらさ、苦しさが想像できる。
建設業は当然としても、造船業もアスベストを使っていれば、当然、給付金の対象にすべきだ。
働く人は、自ら防塵マスクというわけにいかず、使用者、国に責任があって当然である。