2024年09月02日

生存の認定患者ゼロ イタイイタイ病 富山の93歳死亡

 4大公害病の一つで、富山市の神通川流域で発生したイタイイタイ病(イ病)を巡り、生存する唯一の認定患者だった同市の女性(93)が、11日に亡くなっていたことがわかった。遺族が明らかにした。富山県が1967年に患者の認定を始めて以来、生存患者がゼロになるのは初めて。だと8月14日の読売が夕刊で伝えている。

 イ病は、三井金属鉱業神岡鉱業所(現神岡鉱業、岐阜県飛騨市)の鉱山から排出されたカドミウムで、腎臓が障害を受け、骨が極端にもろくなる公害病。この女性は2022年8月、富山県知事から認定通知を受けた。新規の認定は15年以来、7年ぶりだった。

 県健康課によると、これまでに認定された患者は201人。イ病になる可能性が否定できない「要観察者」は345人で、このうち生存者は90歳代の女性1人となっている。このほか、新たな申請が出され、患者に認定される可能性もある。

 死亡した女性は神通川流域で育ち、幼い頃から川の水を飲み、近くで収穫されたコメを食べていた。40歳頃から足や膝に痛みを覚え、70歳を過ぎると就寝中に全身の痛みで目覚めるようになった。足の骨や骨盤も折れ、7年前から歩行につえが必要になったという。


 イタイイタイ病の資料館が富山にあるので行くつもりだったが、2020年からコロナ禍になってしまい、語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚や公害病の患者の慰霊などに行かれなくなってしまった。
 その間、心身の著しい衰えがあり、もうどこにも出かけられなくなってしまったと嘆いていたが、もう一度、気力を奮い立たせ、復活できないものかと思案中である。
 イタイイタイ病といえば、どれほどつらいことか自分にはよく理解できるのだ。

 というのは40代早々に炎症性腸疾患クローン病になってしまい、その後、2度も腸閉塞(イレウス)になってしまい激しい痛みを経験したからである。
 連れ合いは股関節の痛みで、ロキソニンなどの痛み止めを服用していたが、結局人工股関節の手術を受け、障がい者手帳をもらっている。
 さらに、自分は歯周病の影響か時々、歯茎の痛みに見舞われ、一度は顔が腫れてしまったが、コロナ禍全盛期だったこともあって、発熱もあったことから、近くの病院に行くも、発熱外来に行くように指示され、院外へと追い出されてしまったことがある。
 その痛みがまたぞろ復活し、これから近くのかかりつけの先生のところに行き、痛み止めを処方してもらうつもりだ。
 とにかく、体のどこの部位であれ、痛いのは勘弁してもらいたい。

 そんなわけで、病名にイタイイタイと名付けられるくらいだから、その痛さは半端ないことであろう。
 痛さは本人のみ知ることで、他人の痛みがわかるには自らも痛みを感じてみないと本当のところはわからない。
 人間想像力が豊かであれば、他人の痛みを想像することで、少しはその気持ちを理解できるであろう。

 公害病といえば、水俣病、それも熊本と新潟で、イタイイタイ病は富山で、四日市は喘息、さらに、石綿(アスベスト)は泉南地域から全国へというように頭に浮かぶ。

 患者の苦しみに違いがあるわけではないが、有機水銀、カドミウム、ばい煙、アスベストと原因物質によって、病む部位は異なっても、なんでもない人にはその苦しみが理解されにくい。

 歯茎の痛みで思考力が低下し、気持ちがうつ状態になりそうであるが、薬を処方してもらって何とか痛みが治まるように祈るような気持ちである。

 イタイイタイ病はこれからも、患者が出てくると思うし、患者は何も悪くないけれど、こういうことがあったということを忘れてはならない。
posted by 遥か at 09:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題