「フードバンクSOS」「長引く物価高」「食品寄付 減 支援必要な世帯 増」という見出しで7月20日の読売(樋口絢香記者)が夕刊で物価高で寄付が減ってフードバンクが危機に陥っていると伝えている。
「フードバンクの6割以上で寄付減少 “危機的状況”支援呼びかけ」というタイトルで7月23日のNHKも寄付減少でフードバンクが苦しいことを伝えている。
寄付減少でフードバンク活動の継続すら危ぶまれ、頼りにしている人たちはさらに生きるか死ぬかというところに追い込まれるような状況を改善すべく立ち上がった東北大学経済学研究科修士課程所属。NPO法人POSSE、NPO法人フードバンク仙台学生ボランティアの笠原沙織さんだ。
2023年4月から始めた農地での食料生産をきっかけとして、フードバンク活動の新しい方向性が見えてきているのである。確かに困窮世帯に配布できる食料、例えば米、レトルト食品やカップラーメンは減っており、寄付を増やすことは紛れもなく急務だ。しかし同時にフードバンク仙台は、危機にもかかわらず、私たちは熱意と自信に溢れている。なぜなら、これまで玉ねぎやじゃがいもといった作物を育ててきて、かなりの量を自給することができるようになっているからだ。昨年は約1トンのじゃがいもを、今年は1.5トンの玉ねぎを収穫し、フードバンク利用者に配布した。冬には、人参や大根の収穫もまっている。
今後も続く食料危機に対処していくために、こうした自律的な取り組みを仙台だけにとどめずに、各地に広げていきたい。自律的な農地運営の取り組みをつうじて集まった人々が、貧困者の生存を守り、権利行使を下支えするだけでなく、その先の社会のあり方を創っていくはずだ。とジェネレーション・レフトの7月24日で伝えている。
フードバンク,子ども食堂の活動をしている人たちに「困ったときはお互い様」という高邁な理想の実現を目指す姿をみてエールをおくってきた。
後継者難の農業に職のない福祉の人々の労働力を提供する農福連携を訴えてきた、その時から、子ども食堂、フードバンクなどで活動する人たちの食材は自分たちで生産すればいいのだと考えてきたが、ついに実践するところが出てきたことを大いに喜びたい。
東北大学の学生ボランテイアの笠原沙織さんたちにできるなら、他でもできないわけがない。
耕作放棄地などは探せばいくらでもある。
全くの素人でもジャガイモなどは誰にでも作れるし、経験上、玉ねぎは少しばかり難しいがさほど難しいというほどでもない。
農業経験者のアドバイスをもらえば、誰にでもできるはずだ。
大学生は頭も体力も自分のような後期高齢者とは異なり、格段に優れているから、この人たちが頑張ってくれている姿を見ると日本もちょっぴり安心である。
フードバンク、子ども食堂が寄付で成り立っているのは理解するが、その寄付が集まらなくなることは予想されることだから、食料の生産、備蓄に目を向けることは素晴らしい。
ついでに言うなら、コメも生産することにチャレンジすればいい。
先般、観てきた『越後奥三面』や以前観た『風の波紋』では共同体ではコメを生産していた。
食料品を寄付だけに頼っていると、寄付が減少したり、なくなったときにどうすればいいのだということになってしまう。
自分たちで食料の柱となるコメや野菜を生産すれば、日本の食料自給率もアップするし、フードバンクや子ども食堂を頼りにしている人々の力になれること請け合いであるからだ。