2024年05月25日

改正民法成立「共同親権」父母ら賛否

 離婚後の父母双方による「共同親権」を導入する改正民法が17日、成立した。とメディアが伝えている。
 5月18日の読売は、「共同親権」には父母らから賛否の声があることを紹介していた。
 「離婚後も責任 果たす道」「DV続けば 逃げ場ない」という見出しで賛否が分かれている。
 政府は改正法を不安視するDV被害者らに対応するため、相談支援の充実を図る。裁判所も民事担当の裁判官を家事担当に振り分けるなど、体制整備を検討している。

 改正民法では取り決めがなくとも最低限の養育費を請求できる制度を創設することになったので、「ひとり親家庭の貧困問題には一定の意義はあるものの、最低限では困るので、迅速に取り決める努力が必要だ」と離婚事件を手がける上谷さくら弁護士は指摘する。


 「共同親権」といえば、すぐに思い浮かぶのは将棋のトッププロが離婚問題がこじれ、子どもを連れて逃げた連れ合いともめ、プロ棋士としての職業を捨て、子どもの奪い合いのようになり、警察沙汰になってしまったことである。
 第三者から見ると、「逃げた女房には未練がないが、子どもは可愛い」という気持ちは理解できても、せっかくの職業を捨ててまでと思わないでもないが、当人にしか本当のところはよくわからない。

 犯罪被害者支援であるから、DVは犯罪だと訴えてきた立場上、犯罪者との共同親権を嫌がる気持ちはよく理解できる。
 一方で、離婚してひとり親となった家庭の貧困問題が大きな社会問題となっていることから、共同親権と養育料の支払いで、子育てがうまくいくように考えるのもまた自然の成り行きではないかとも思える。

 40代早々、炎症性腸疾患クローン病になって、ストレスの多い職場から自由になりたいと50代半ばを前に退職した時、支えてくれたのが連れ合いで、病気を筆頭に、思い通りにはいかない人生で、唯一、恵まれたのが伴侶だったから、離婚する人の気持ちは自分には理解することは難しいかもしれない。
 それでも、一つだけ明確に断言できることがある。

 ごちゃごちゃ言わないで、子どもの幸せを第一に考えろということだ。
 子どもは親を選べない。産んでくれと頼むこともできない。
 だから、せっかく生まれた子どもを幸せにしてやる義務が親にはあるはずだ。

 結婚するのも離婚するのも自由だが、子どもを親の都合、勝手に巻き込むなと言いたい。
 DV家庭で伴侶に虐待されて離婚すれば、一つ屋根の下で、同じ空気を吸うのも躊躇うだろう。
 しかし、子どもには親に会う権利があることもまた当然のことである。

 親は離婚すれば、縁が切れるが、親子はそうはいかない。
 同じ血が流れるということはこういうことではないのか。