2024年05月13日

米スリーマイル島原発事故 45年 廃炉に課題

 1979年3月28日、米ペンシルべニア州で、商用原子力発電所として初めて炉心溶融(メルトダウン)が起きたスリーマイル島(TMI)原発事故から45年が経過した。事故が発生した2号機を所有する米エナジ―ソリューションズ社は、廃炉の最終段階に向けて作業を進めているが、課題も残されている。と5月4日の読売が「サイエンスReport」(冨山優介記者)で伝えている。

 TMI事故では、2号機原子炉内にあった核燃料(約130d)の約45%が溶け落ちたと推定されている。ただ、溶融した核燃料(デブリ)が原子炉圧力容器の底を突き破った東京電力福島第一原発事故と違い、TMIの核燃料は圧力容器内にどどまった。
 米国の総力を結集し、原子炉上部から器具を差し込んで核燃料を取り出す方法が採用され、85〜90年には99%の回収を終えた。
 残った1%の回収には「80年代にはなかった最新の技術を使い、廃炉をより安全、効率的に進められる」と廃炉作業の副責任者フランク・エプラーさんはいう。

 米原子力規制委員会(NRC)の元職員レイク・バレッドさんは、NRCが主催した住民との対話と較べ、東電や日本政府の住民への説明は一方通行だったのではないかと危惧する。
 福島事故から30〜40年で廃炉を完了させる目標の実現性は「廃炉の進展は想定していたよりも遅かった。スケジュール達成は非常に難しいだろう」とのことである。


 米スリーマイル島原発事故から45年、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻侵略で、ロシアの原発攻撃での事故が心配されているウクライナ。そのウクライナのチェルノブイリ原発での事故を経て、2011年3月11日に起きた福島での原発事故と世界では3回も大きな原発事故が起きている。
 原発は安全だということが全くの嘘だということが立証されたことになるこれらの事故はまだ処理が完全に終わってはいないところに問題がある。
 
 原発は一度事故が起きてしまえば、廃炉まで気が遠くなるような年月が必要になってくる。
 つまり、福島の原発が廃炉になるまで、自分は生きられないということで、このことは原発反対という立場の自分としては、重大な問題である。

 米国はスリーマイル島原発事故に米国の総力を挙げて廃炉に取り組んだということだが、事故の程度が福島より軽かったことも幸いしている。
 それでも、使用済み核燃料は敷地内に暫定的な保管施設を建設しているだけで、最終処分施設も一時的な貯蔵施設の建設もまだだという米国。日本でも全く同じで、最終処分施設がない中で、原発を稼働させることに反対する所以である。
posted by 遥か at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題