小林製薬(大阪市)の「 紅麹 」成分入りのサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、消費者庁はこのサプリメントと同様に機能性表示食品として届け出があった食品の一斉点検を始めた。健康ブームを背景に市場規模が拡大している機能性表示食品とはどんなものか、どう利用したらよいか、改めて確認しておきたい。と4月2日の読売(加藤亮記者)がくらしの紙面で伝えている。
機能性表示食品は、事業者が消費者庁に科学的な根拠を示すデータなどを届け出れば、自らの責任で、こうした健康への効果(機能性)を商品パッケージに表示できるものだ。2015年に国の成長戦略の一環として導入された。加工食品だけでなく生鮮食品も対象で、現在約6800点の届け出がされている。
健康効果を表示できる食品はほかに、国が個別に機能性や安全性を審査して販売を許可する「特定保健用食品(トクホ)」、特定の栄養成分を一定量含む「栄養機能食品」がある。
しかし、コストや手続きの簡便さなどから、近年は機能性表示食品の商品開発に力を入れる事業者が増加。消費者の健康志向も背景に商品も多様化している。
機能性表示食品は医薬品ではなく、食品だということのようだ。
「紅麹」成分入りのサプリメントを摂取した人が4人亡くなったという3月28日の読売からの記事を引用して書いたら、5人めの犠牲者が出ているということだった。
株主総会で陳謝したという原因企業の小林社長がまだ、責任取って辞職するとは報道されていないが、反省していないようだ。
書いたときは肝心な機能性表示食品と「特定保健用食品」(トクホ)、特定の栄養成分を一定量含む「栄養機能食品」の違いについて取り上げてこなかったので、反省を込めて再度書いておく。
健康効果を表示できる食品は国が個別に機能性や安全性を審査して販売を許可する「特定保健用食品」であれば、国が販売に責任があることになり、何かあれば、国に損害賠償責任がある。
一方、「機能性表示食品」は事業者が消費者庁に科学的な根拠を示すデータなどを届け出れば、自らの責任で健康への効果(機能性)を商品パッケージに表示できるということで、販売に関し国に責任はなく、何かあっても事業者が倒産したりすれば、損害賠償されることもないということ。
自民党の一部、維新などがしきりに規制緩和などと何も考えないで発言し、安全性を第一にせっかく国が責任もってやってきたことがなし崩し的に事業者責任になってしまったのだということ。
ということで、トクホではない機能性食品は安全性が担保されているわけではないから、大嫌いな言葉であるが自己責任だと国の関係者には言われてしまいそうだ。
事業者がやっていることに国に責任がないということなどありえないが、裁判になれば、被害者はまず勝てないので、事業者に損害賠償責任を求めるよりない。
機能性表示食品は事業者が科学的根拠を示すデーターなどを届け出れば、自らの責任で健康への効果(機能性)を表示できることについては前回は触れていなかったが、その分、科学的根拠のデータなどいくらでも捏造できることから、簡単に効果があるわけがない。気休めみたいなものだとサプリを摂取している立場から書いた。
だから、効果がない分安全面は心配いらないと逆説的なことを書いた。
紅麹がどんなものかよく知らないが、単純に麹が体に良いことなど誰でも知っていることだから、買い求めた人は安心していたであろうに気の毒なことである。
昨夜のNHKクローズアップ現代で取り上げていた「ダークパターン」商法に洗脳され、騙されてついて行き購入されてしまいがちな機能性食品にはよくよく注意が必要ということか。