2024年04月10日

米国に隷従する日本、日航機事故対応ミスが原因

 重篤な病気で闘病中だと伝えられている経済アナリスト、エコノミストで獨協大学教授の森卓さんこと森永卓郎さんが『書いてはいけない』(フォレスト出版)を刊行されたら、知る人ぞ知る爆発的な売れ行きだが、題名のとおり、メディアの世界では書いてはいけない、しゃべってもいけない内容だからどこもこの本のことを取り上げないそうな。

 人間の心理として、書いてはいけない、しゃべってもいけないとなれば、俄然興味関心を持つものである。
 メディアではとりあげないが、YOUTUBEの三橋TVにその森卓さんの講演内容がアップされていたので、当然、視聴したというわけ。


 語り継ぐ戦争で、米国が嫌いになるばかりの自分にとって、米国の言いなりになっている日本政府には怒り心頭だった。
 戦後、79年経っても、まだ米国に隷従、まさに植民地としか言いようがない、とても独立国とは思えない不甲斐ない日本政府。
 その原因が1985(昭和60年)8月12日、日本航空123便(ボーイング747SR-100型機)が操縦不能に陥り、群馬県多野郡上野村の高天原山山中ヘ墜落した航空事故だというのが森卓説だった。
 当時、市民から支持されているという状況ではなかった自衛隊が日航機の尾翼を過ってミサイルで撃ち抜いたため、操縦不能に陥って墜落し、まだ生存者もいたはずだが、救援に向かおうとした米軍横須賀海軍基地のヘリを途中で引き返させ、自衛隊の特殊部隊が、不都合な真実を隠すため、遺体を火炎放射器で焼いたというのだ。

 4人の生存者は墜落の衝撃でバラバラになった機体の最後尾に乗っていたことから、機体と共に沢の近くに転落し、翌朝、村民に発見されたのだという。

 政府にとって、不都合な真実をなかったことにするため、日本政府はボーイングのジャンボ機のせいにし、米国も了としたことから、このツケを爾来払い続けることになった。
 そこから、当時景気が良かった日本経済を為替レートから締め上げ、関税障壁などで景気後退させ、所謂30年間の不況が日本を包み込むことになった。

 語り継ぐ戦争で戦没者の慰霊のための行脚を続けていくうちに広大な面積の基地を占拠している米軍が日本を守るためではなく、日本を米国の防波堤にするために基地がおかれていることに気づく。

 さらに、友好国だと日本を表向き持ち上げている米国は、戦後、朝鮮戦争に始まり、ベトナム戦争、中東戦争、そしてアフガニスタン戦争とずっと戦争をやってきて、戦死者、傷痍軍人があまりにも多数出たため、もう、戦争ができなくなったことから、日本の自衛隊に米軍に代わって戦争させようとするようになっていく。
 ファシズムの国家だった日本は危険な存在だったから、日本国憲法で一時は武力の放棄をさせたが、朝鮮戦争のとき、自衛隊の前身警察予備隊を作らせ、民主化された政府の許、爾来防衛力の強化を進めさせてきた。 
 唯一、認めてこなかったのが核武装である。
 日本には、自分のような反米主義者がまだまだたくさんいるはずだから、核武装させれば、いつ米国にその矛先を向けるかわからないからだ。
 現に、日本で三菱重工がジェット機を作ろうとしたら米国が邪魔してぽしゃってしまった。

 当時の中曽根政権から米国に強要された郵政民営化を無理やり成し遂げ、アフラックを売らせようとしている米国追随型だった小泉政権、岳父からずっと米国と関係が深かった安倍政権を経て、米国隷従の岸田政権と日本が弱体化し、駄目になってきたのは自民党売国奴政権のせいだと戦没者はあの世で嘆いているはずだ。

 戦後79年、御巣鷹での日航機墜落事故から39年だから、もう、いくら何でも独立国家としての矜持を持てるようにしなければ日本の浮上はない。

 森卓さん、奇蹟が起きて回復し、書いてはいけない、ほかにもあるはずの不都合な真実を教えていただきたい。
 忌野清志郎さん、坂本龍一さんと世のために発信してくれた人が旅立ってしまった。
 森卓さんには、何とか元気でいてもらえるように祈っている。

2024年04月09日

CAにパワハラ自民党参議院議員にさよなら

 機内でCAにパワハラし、目に余る、常軌を逸しているとして歌手吉幾三さんにYOUTUBEで告発された自民党参議院議員がいる。

 北海道選挙区選出で。言動について道の複数の幹部職員が威圧的に感じていたことをめぐり、道が調べたところ、政策などを説明するため、道の幹部4人が東京などに出張した際の費用が2023年1年間でおよそ550万円に上ったことがわかった。道はいずれも適切に業務を行ったとしている。とメディアが伝えている。
 
 4月8日のNHKによれば、この参議院議員の言動について、北海道の聞き取り調査で政策などの説明の際に厳しいことばづかいなどがあり威圧的に感じると答えた幹部職員が複数確認され、鈴木知事は4月5日、対応を改めるよう申し入れた。


 議員だからと言って、偉そうにパワハラ!それもCAさんだから女性だろう。明らかに自分より弱い立場の人間に対してだから絶対許せない。 
 偉そうに威張りちらす輩は選挙で落選させようではないか。
 落選すればただのひと。
 もう威張りちらしても誰も相手にしない。
 威張りちらしている輩が大嫌いだから、自分なら間違っても選挙で投票しない。

 自民党に限らず、選挙では頼んでもいないにもかかわらず、立候補し働かさせてくれとぺこぺこ頭を下げるから、その反動で当選すると役人や秘書などに威張りちらす議員が少なくない。

 政治資金を集め、政治資金規正法に違反して、届け出せず、裏金化し、脱税の嫌疑までかかっている自民党安倍派の幹部で秘書に威張り散らしているから、秘書がすぐにやめることで知られている人望のない人がいる。
 自民党最高幹部で頭が良くて、仕事が切れるが周囲に威張り散らすから人望が全くないと伝えられる総理候補だってパワハラで知られている。

 北海道の有権者は誤解しているのではないか。
 パワハラで人望がなくても、国のカネを北海道に持ってきてくれればいいと考えていたのかもわからない。
 しかし、この人のためだったらと人望のある人の方がみんなのためということも考えてくれそうな気がするのである。
 現に、東京に道のお役人を呼びつけて使ったカネが1年間で550万だというなら、そのカネを困っている酪農家に渡せよと言いたくなってしまう。
 議員には特権がたくさんあり、乗り物はファーストクラスでグリーン車だろう。自分で北海道に来るのが筋ではないか。
 本当に、道民のことを考えている議員とはとても思えない。

 セクハラ、パワハラはなかなかなくならないが、もうそんなことをする時代でなくなっていることだけは間違いない。

 必要以上に選挙で頭を下げる必要がない代わり、乗客の味方CAさんにまで威張り散らして反省もしないような議員にはさよならだ 

2024年04月08日

東京日野市 人口別で初の全国ごみ最少、八王子市二年連続 

 日野市は3日、1人1日当たりのごみ排出量が2022年度、人口10万人以上50万人未満の自治体で、初めて全国1位の少なさになったと発表した。と4月4日の読売がオンラインで伝えている。

 環境省が3月28日に公表した「一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果」によると、日野市の排出量は600・5グラムで、2位だった前年度より30・2グラム減った。2位は静岡県掛川市の614・5グラム、3位は小金井市の619・6グラムと続いた。

 日野市では00年に「ごみ改革」を行い、ごみ袋の有料化やマイバッグ運動、プラスチック類の分別収集などの減量施策を実施してきた。

 人口50万人以上の自治体では、八王子市が2年連続で全国一少なかった。同市の排出量は726・8グラムで、2位の松山市の754・0グラム、3位の京都市の757・3グラムを下回った。前年度と比べても21・4グラム減少した。リサイクル率は28・3%で、3年連続で2位だった。

 八王子市は、食品ロスを減らすため、飲食・小売店などと消費者をインターネットで結び、賞味期限が近づいたり傷がついたりした「訳あり食品」を格安で取引できるサービス「タベスケHachioji」を、都内で初めて22年10月から導入するなど、ごみ減量やリサイクルに積極的に取り組んでいる。


 もうずいぶん前のことだと思うが、東京日野市では家庭から出る所謂生ごみを畑で堆肥化している市民グループがいるということで、生ごみを畑で堆肥化してきた自分と同じだからと取り上げたことがあった。

 日野市のことなど全国で知っている人は少ないだろうが、知る人ぞ知る新選組副長土方歳三が生まれ育った街として知られている。
 司馬遼太郎『燃えよ剣』(新潮文庫)を読み、TVで栗塚旭主演の『燃えよ剣』を視聴して明らかに影響を受けたのであろう土方歳三のことが好きになり、その分薩長が嫌いになった。

 新選組といえば、余談であるが、今はれいわ新選組の山本太郎代表が重度の障がい者を国会に選出するという未だかつてどの政党もなしえなかった快挙をしたことで自分も応援するようになっている。

 さらに、第三位の東京小金井市などもっと知られていないだろう。中央線沿線の小さな自治体で、自動車試験場のある府中市と接しているのだが、ごみの焼却場さえ作れない情けない街で、困り果て、全く接していない日野市に頼んでごみを焼却してもらっている間柄なのだ。

 東京八王子は新宿から甲州街道で結ばれた古い商都で、その昔は絹織物が盛んだった。
 東京区部に対し、三多摩と呼ばれる市部では人口、面積いずれもトップであったが、街づくりに失敗し、立川が商都ナンバーワンとなっている。
 しかし、駅南口の開発が進み、うまくいけば、再びトップの座に返り咲くかもしれない。
 自民党政治資金不記載、脱税の安部派の幹部で、統一教会との関係で知られる強面の議員の地元である。

 さて、ごも減量では家庭から出る生ごみのたい肥化こそ、自治体が取り組まなければならない課題の一つとなっているが、食品ロスを減らすための八王子市の取り組み「訳あり食品」を格安で取引できるサービス「タベスケHachioji」は素晴らしい。
 八王子市のこの取り組みのことは知らなかったが、素晴らしい試みである。関係者にエールをおくりたい。

 「ごみを分ければ資源」という標語があったと思うが、家庭から出る生ごみを毎日畑に埋めてきた手前、土の中の微生物の偉大さに頭が下がると同時に、ごみとして焼却せず堆肥化させれば、さらにごみが減量できるし、堆肥化された土はよくなり、美味しい野菜が採れ、きれいな花を咲かせてくれる。

 子どもの頃、社会科で日本は資源がない国だと教わったが、森と水という素晴らしい資源に恵まれているでははないか。
 資源がなければ、ごみを資源化すればいいのだ。 
posted by 遥か at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題

2024年04月07日

東京スカイツリー難工事に挑んだ職人たち

 「新プロジェクトx挑戦者たち」が始まった。
 「東京スカイツリー 天空の大工事 〜世界一の電波塔建設に挑む〜」というので、前回と同じように視聴した。時間がなくて最後までは視聴できなかったが、作業した人たちは無論の事、撮影も大変だっただろうなとあまりの恐怖に言葉も発することができないほどだった。
 目もくらむような高所で働く選ばれたとび職人たちの人間業とも思えない作業にTVで視聴しているだけにもかかわらず、高所が怖い自分からみれば、怖ろしくてぶるぶる震えてしまいそうなほどの迫力だった。


 前回の放送分をまとめたNHKプロジェクトx制作班今井彰『プロジェクトxリーダーたちの言葉』(文藝春秋)を買い求めて読んでしまうほど自分の心を激しく揺さぶった働く人たち。
 今回の新プロジェクトx挑戦者たちでも惜しみなく命がけのその働きぶりを視聴させてくれた。

 親族が大林組で働くようになっていることから大手ゼネコンとその下請けとの関係にも俄然興味を持って視聴していたが、現場で働く労働者が何社にも分かれて所属し、半ば腕の見せ所みたいに競争原理で働かされているとは知らないことだった。
 その代表みたいな二人が大林組の事実上の責任者と共にスタジオにやってきたのを視聴して、ああ、この人たちはその後も無事で技術者としてとび職人として頑張ってくれているのかと思い感激した。

 漫画や児童書の世界でのことならともかく、怠け者、働かないくせに世の中に不満をぶつけるような輩、人を騙す詐欺師のような輩が大嫌いな自分としてはモノ作りに挑む職人などは尊敬するばかりか、日本を支えている人として本来なら国から表彰されてしかるべき人達だと思っている。

 一般のとび職人だって敬意を払いたくなるほどすごい人たちだと常々考えていたが、スカイツリーの現場で働いた人たちは格別すごい存在だ。

 高所が苦手で自宅の屋根にも上れない自分から見れば、スカイツリーが完成して時が経過しても全く上りたいなどと考えたこともない。

 作った人たちはまさに命がけで頑張ってくれたから完成したスカイツリー。

 考えてみれば、岡林信康「山谷ブルース」ではないが、現場で働く労働者がいて、我々の生活が成り立っているわけで、職人と呼ばれる技術を持っている人たちの技術を次世代に継承していかなければ日本の技術力は低下する一方になってしまう。

 自分の父親、自分の夫、自分の息子などなど関係者は命がけで働く夫を支えてくれたわけで、この人たちにも併せてエールをおくりたい。

 前回は中島みゆきのテーマソング、語りの田口トモロヲともに良かった。
 乞うご期待である。
posted by 遥か at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用

2024年04月06日

“罪”も“孤独”も洗い流す 若者の更生を支援する“洗い屋”

 『PERFECT DAYS』の平山さんの仕事はトイレ清掃だった。 
 街の中心にある寺の櫻がようやく花冷えの中咲いてくれた土曜の朝。 
 平山さんのように朝のルーティンをこなしている間に、時計代わりに電源が入っているTVのNHKで「若者の更生を支援する“洗い屋”」というタイトルらしきテロップが目に飛び込んできた。
 
 語り継ぐ戦争をメインに犯罪被害者支援も訴えてきたので、究極の支援は罪を償った人の更生だといつも考えてきたから、真剣にニュースソースを頭に入れ、スマホに入力した結果、尼崎で“洗い屋”を営む松本商会の松本和也さんが若者の更生を支援しているその人だということがわかった。
 朝は忙しくて視聴する時間とてなかったが、どうしても書いておきたくなった。

 2024年3月15日のNHKWEBで若者の更生支援として松本さんのことが紹介されている。
 要約してみよう。

 若い頃、自身が逮捕歴があるほどの非行少年だった松本和也さんが立ち直れたのは、伴侶との出会いと子どもの誕生ということで、温かい家庭に恵まれたこと。
 さらに、働く場として選択した“洗い屋”の仕事が少なくて生活に困っているとき、仕事仲間の先輩が生活できるだけの仕事を回してくれたこと。
 更生に必要な職住ということで、賃貸住宅を用意し、安心して働けるような環境をつくった。
 『恩を感じてくれるならそれは俺に返さなくていい。将来、ほかの人が困っているときに助けてあげたらいい』と言ってくれた困ったときに助けてくれた先輩の言葉に触発されたという松本さん。

 罪を犯した若者の更生を支援している日本財団が行う「職親プロジェクト」に参加し、「人は変わることができる」と呼びかける少年院での講演活動も行っている。
「更生」に大切なのは、誰かにしてもらったことを、今度は別の誰かにつないでいくことだと感じたからだ。
 年間30万円の経費を補助する財団が設けた制度も活用して、これまで10人以上の若者を雇ってきた。

 取材した金武孝幸デイレクターは「再犯を防ぐためには、ただ仕事や住まいがあればいいというわけではなく、『この人を裏切ってはいけない』という信頼で結ばれた人間関係が大切だという。


 人間なんて弱い者で、誰しも過ちを犯すし、人にしゃべれないこと、しゃべりたくないことの一つや二つ、三つや四つくらい誰にもあるだろう。
 特に、分別がつきにくい若者ならなおさらのこと。
 だから、やり直しのできる社会にしたい。と自らが立ち直った経験から本気で若者の更生に立ち向かっている松本和也さんにエールをおくりたい。

 例えば、振り込め詐欺の首謀者が募る受け子の闇バイトに応募し、自らのプライバシーを全て握られ、逆らえなくなって犯行に加わり逮捕されてしまう若者。
 今は、振り込め詐欺どころか、強盗殺人まで実行犯を募る闇バイトがあるから、捕まれば、懲役の年数も比較にならないほど長くなってしまう。
 それでも、本気で更生しようと思うなら、松本さんのように自らの経験を踏まえ「頼っていいよ!」と言ってくれる存在は心強い。

 自分のことだけで精いっぱいという人がほとんどの世の中にあって、なんとも頼もしい存在である松本さん。
 嬉しくなって、書いているが、「自分が受けた恩は返さなくていいから、誰か困った人がいたら、助けてやるように」と言った仕事仲間の先輩の存在もまた世の中を住みよくするためには絶対欠かせない。

 ハンセン病での差別のことを書いたばかりであるが、非行から更生しようとする若者を支援する人のことを書くことができて気持ちがいくらかなりとも晴れてきた。

2024年04月05日

元患者と差別・偏見根強く ハンセン病意識調査

 厚生労働省は3日、ハンセン病に関する偏見や差別の実態を把握するため、初めて実施した全国的な意識調査の報告書を公表した。とメディアが伝えている。

 元患者や家族が近所に住む、同じ職場で働くことなどを質問した9項目に対し、抵抗感を示した割合が約10〜30%に上り、調査報告書をまとめた元患者家族らでつくる検討会は「ハンセン病問題に関する知識は社会に十分には浸透してなく、偏見差別は現存する」と結論付けた。
 調査は2023年12月、2万4487人を対象にインターネット上で行われ、2万916人から回答を得た。と4月1日の産経のWEBが伝えている。

 4月2日の読売は、ハンセン病の回復者や支援者らでつくる「ハンセン病市民学会」の徳田靖之共同代表(79)が「国は元患者の生の声に触れる機会を増やすなど、差別解消に努めてほしい」と願っていると伝えている。


 3月の月に一度の映画館行きで、熊谷博子監督がハンセン病の元患者に8年間伴走したドキュメンタリー『かづゑ的』を観て激しく心を揺さぶられたことを書いたばかりである。
 映画を観ると必ずガイドブックというのかプログラムを買い求めるのが自分の流儀であるから、この作品の分も手許にあるので、その中から「差別の中の差別」について紹介しておきたい。
 
「監督のことば」として熊谷監督が書かれたものだ。
「世の中から差別を受けているハンセン病患者の世界で、10歳で入園してすぐ、すでに重症だったかづゑさんは軽症の子どもの患者からいじめを受ける。成長してからは、幼い頃から園内で育ったかづゑさんたちは社会を知ってから入ってきた人たちから馬鹿にされ、侮蔑のことばさえ投げつけられた。悲しいが、人間がもっている、差別の本質を表すような話だ」
 「救ってくれたのは、本とお母ちゃんだった。
 本を読み漁り、読書に没頭している間だけは、現実の世界を忘れ、別の世界で生きることができた。死をも考えたが、来月お母ちゃんが来ると思ったら、それはできなかった。
 年に二、三回来てくれたが、他の子どもの親はほとんど面会にこなかったという。」


 語り継ぐ戦争、戦没者慰霊のための行脚で沖縄を訪れた時にいつもお世話になった運転手兼ガイド氏の外間安浩さんが教えてくれたことで、書いたことがあると思うが、沖縄戦で本土の防波堤にされ、徹底的に差別されてきた琉球人。沖縄県民が奄美の人たちを差別してきたというのだ。
 信頼してきたガイド氏が教えてくれたのだから真実だと思っている。

 かづゑさんが差別された話を想起させるようなできごとではないか。
 士農工商という身分制度があった江戸時代から幕末に徳川を倒した薩長などの人間が偉そうにさらに酷い階級社会ともいうべき、貴族制度を作り、敗戦で人間は平等であるという民主主義を米国に植え付けられて、日本を統治しやすくするために残された天皇制は別にして平等ということになった。

 差別は、自民党比例選出の女の議員にみるようにアイヌや在日などへの民族差別、出身地域に関する部落差別など未だに根強く残っている。
 さらに、公害病の水俣病や薬害エイズのときも、酷い差別があった。

 その差別を乗り越えるには、かづゑ的に言えば、本読み、知識を得ることと家族の愛情が不可欠である。
 水俣病の語り部だった杉本栄子さんは水俣病で村八分的な差別を受けたが、網元だった父親はいじめ返しのようなことはするなと言っていたということを以前書いた記憶がある。

 知識を得て、特効薬「プロミン」ができて治ることを知れば、ちっとも怖い病気ではなくなるし、家族の愛情が病者を支えることになることも広く知ってもらえば、差別に立ち向かえる。

 自民党比例選出の女の議員が当選できないように比例では自民党と書いてはいけないことなどから始め、差別発言ばかりするような議員を選ばないことが重要になってくる。

 人の気持ちなど簡単には変えられないが、知性が身につけば、差別など恥ずかしいことだということに気づくものだ。

2024年04月04日

機能性表示食品を一斉点検

 小林製薬(大阪市)の「 紅麹 」成分入りのサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、消費者庁はこのサプリメントと同様に機能性表示食品として届け出があった食品の一斉点検を始めた。健康ブームを背景に市場規模が拡大している機能性表示食品とはどんなものか、どう利用したらよいか、改めて確認しておきたい。と4月2日の読売(加藤亮記者)がくらしの紙面で伝えている。

 機能性表示食品は、事業者が消費者庁に科学的な根拠を示すデータなどを届け出れば、自らの責任で、こうした健康への効果(機能性)を商品パッケージに表示できるものだ。2015年に国の成長戦略の一環として導入された。加工食品だけでなく生鮮食品も対象で、現在約6800点の届け出がされている。

 健康効果を表示できる食品はほかに、国が個別に機能性や安全性を審査して販売を許可する「特定保健用食品(トクホ)」、特定の栄養成分を一定量含む「栄養機能食品」がある。
 しかし、コストや手続きの簡便さなどから、近年は機能性表示食品の商品開発に力を入れる事業者が増加。消費者の健康志向も背景に商品も多様化している。


 機能性表示食品は医薬品ではなく、食品だということのようだ。
「紅麹」成分入りのサプリメントを摂取した人が4人亡くなったという3月28日の読売からの記事を引用して書いたら、5人めの犠牲者が出ているということだった。
 株主総会で陳謝したという原因企業の小林社長がまだ、責任取って辞職するとは報道されていないが、反省していないようだ。
 書いたときは肝心な機能性表示食品と「特定保健用食品」(トクホ)、特定の栄養成分を一定量含む「栄養機能食品」の違いについて取り上げてこなかったので、反省を込めて再度書いておく。

 健康効果を表示できる食品は国が個別に機能性や安全性を審査して販売を許可する「特定保健用食品」であれば、国が販売に責任があることになり、何かあれば、国に損害賠償責任がある。
 一方、「機能性表示食品」は事業者が消費者庁に科学的な根拠を示すデータなどを届け出れば、自らの責任で健康への効果(機能性)を商品パッケージに表示できるということで、販売に関し国に責任はなく、何かあっても事業者が倒産したりすれば、損害賠償されることもないということ。

 自民党の一部、維新などがしきりに規制緩和などと何も考えないで発言し、安全性を第一にせっかく国が責任もってやってきたことがなし崩し的に事業者責任になってしまったのだということ。

 ということで、トクホではない機能性食品は安全性が担保されているわけではないから、大嫌いな言葉であるが自己責任だと国の関係者には言われてしまいそうだ。

 事業者がやっていることに国に責任がないということなどありえないが、裁判になれば、被害者はまず勝てないので、事業者に損害賠償責任を求めるよりない。

 機能性表示食品は事業者が科学的根拠を示すデーターなどを届け出れば、自らの責任で健康への効果(機能性)を表示できることについては前回は触れていなかったが、その分、科学的根拠のデータなどいくらでも捏造できることから、簡単に効果があるわけがない。気休めみたいなものだとサプリを摂取している立場から書いた。
 だから、効果がない分安全面は心配いらないと逆説的なことを書いた。
 紅麹がどんなものかよく知らないが、単純に麹が体に良いことなど誰でも知っていることだから、買い求めた人は安心していたであろうに気の毒なことである。

 昨夜のNHKクローズアップ現代で取り上げていた「ダークパターン」商法に洗脳され、騙されてついて行き購入されてしまいがちな機能性食品にはよくよく注意が必要ということか。
posted by 遥か at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) |

2024年04月03日

ストーカー「禁止命令」1963件 近況確認3月導入

 ストーカー規制法に基づく禁止命令の件数が昨年、1963件(前年比219件増)に上り、過去最多だったことが警察庁のまとめでわかった。殺人事件に発展するケースもあり、警察庁は今月、禁止命令を受けた加害者全員に近況を確認する新制度を導入した。と3月28日の読売が伝えている。

 警察庁によると、禁止命令違反を含む2023年のストーカー規制法違反事件の摘発も1081件(同53件増)で、過去最多だった。傷害や住居侵入といった刑法犯などの摘発は1708件で、4年連続で増えた。

 こうした事態を受け、警察庁は2023年8月〜2024年1月、禁止命令を受けた加害者全員に警察官が電話や対面で接触し、近況を確認する取り組みを10都道府県警で試行。「状況の把握に有効」との意見が多く、加害者からも「衝動を抑えられた」といった声が寄せられた。

 このため警察庁は3月18日、同様の取り組みを全国で実施するよう各警察本部に通達。加害者と接触の都度、リスク評価を行うほか、医療機関での治療の有効性も説明していく。警察庁幹部は「ストーカー被害者の安全確保を確実なものにしたい」としている。


 毎日、発信しているのは「自由のため」である。
 自由の価値は失って初めてわかるものだが、失ってからでは遅いこと、取り戻したときの喜びを理解している人たちがいる。
 語り継ぐ戦争ではアジア太平洋戦争に敗れた1945年8月15日である。
 あれから79年の2024年になると、その価値、有難みを知る人たちがどんどん退場していく。

 自由を奪われるのは戦争だけではない、犯罪被害者支援を訴える立場からは、殺人、性暴力、監禁、ストーカー犯罪の被害者がいる。

 水俣病やイタイイタイ病などの公害病、ハンセン病などの感染症、人身売買され、売春を強要させられた女性たちやブラック企業を退職できないなど思いつくままにいくらでもいる。

 被害者の一部が殺害される可能性が極めて高いのがストーカー犯罪である。
 強固な意志で殺害を目論む加害者から身の安全を確保することが難しいのがストーカ犯罪の被害者であり、警察である。

 考えられる対策としては、子どもの頃から学校教育で自分がやられて嫌なことを他者にやらないことを徹底させることである。
 ストーカー犯に狙われている場合、正当防衛の考え方を広く認めることがストーカー犯罪への抑止になるのではないか。
 殺害される前に、攻撃してきた相手に対し自衛権の行使を認めることが考えられる。
 具体的には、当事者が考えることで、ここで細かく説明することはしない。
 座して死を待つのではなく、自衛することが許されるという考え方だ。 
 自暴自棄で相手を殺害して、自らも死ぬというストーカー犯に対し、被害者を守ることは難しいからだ。

 加害者の近況確認は佳いことで、これで思いとどまってくれれば良しとなるが、狙われた相手からただ、逃げ回るだけでは対策とは言えない。

2024年04月02日

維新独裁の本性表す 万博私物化し、批判勢力言論封殺

 「『何様だよ』吉村知事 大阪万博“玉川徹は出禁”発言で『万博の私物化』と大炎上」というタイトルで「女性自身」が4月1日WEBで批判が殺到していると伝えている。
 2025年に開催される「大阪・関西万博」のシンボルとして建設中の“木造リング”を巡り、大阪府の吉村洋文知事(48)が、リングに批判的なコメントをしているとして元テレビ朝日社員の玉川徹氏(61)を“出禁”にすると発言し、批判が殺到している。
 問題の発言は、3月23日に大阪府茨木市で開催された「維新タウンミーティング」でのもの。建設費が約350億円もかかることから批判も多い“木造リング”への批判に対してのもの。

 「米山議員『玉川は万博出禁』発言の大阪・吉村知事に撤回と謝罪を要求 “冗談”でない『言論封殺』と危惧」というタイトルでWEBのよろずニュースで立憲民主党米山隆一衆議院議員が維新の独裁体制を危惧し、言論弾圧を許さないということで発言の撤回と謝罪を要求していることを伝えている。


 毎日、発信しているのは「自由のため」である。
 当然、日本国憲法に保障されている表現の自由、言論の自由は、まず、譲れない。
 その自由を弾圧する勢力が政治の世界では維新ではないかと見ていた。
 自分のカネでやっているわけでもない万博に対し、玉川徹さんに批判されたからと言って、偉そうに出入り禁止だと発言し、知事ではなく政治家として発言したから問題ないと言っているらしい。

 自民党で差別発言のジャブを繰り出し、世間をお騒がせしている女の議員ももともと維新だった。
 自らは政治資金の会計責任者に父親から名義借りし、安部派の裏金脱税事件にも関与し、きちんとしたことをやっていないと「一月万冊」で厳しく糾弾されていたくせにである。

 結党時の橋下さんはされに独裁色が強くて、れいわ新選組の大石晃子さんに批判されると「名誉毀損」だと裁判に訴えて、敗れている。

 自由民主党というくらいだから、自民党には自由が大事だという勢力がいる一方で、保守派というのか、統制があるのは当たり前だという勢力もいる。
 批判したからと言って、維新の知事みたいなことは言わない人がほとんどだ。

 コロナ禍で自粛警察なる言葉を耳にしたことがあるが、他者に寛容でない社会ほど住みにくいものはない。

 語り継ぐ戦争だから、敗戦から79年の2024年になると、どんどん所謂右傾化というか、戦争への道を進んでいるようにしか思えない。
 考えてみれば、戦前、戦中の不自由な生活は、表現の自由、言論の自由を弾圧されたからではないか。

 住みよい世の中は、寛容な社会にこそ生まれるものだ。
 寛恕という言葉もある、宥恕という言葉もある。

 自由を弾圧する勢力が伸長しないようにしないとだめだ。

 れいわ新選組の山本太郎代表は街頭などでの集会、演説で、自分を批判する人にマイクを渡し、言論の自由を守るかのように発言する機会を与えている。

 維新とれいわは全く異なる勢力だ。
 自由が守られるれいわ新選組を自分が応援する所以である。

2024年04月01日

薬害「紅麹」成分入りサプリで死者4人

 小林製薬「紅麹」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で死亡者が計4人になったことを3月28日の読売が夕刊1面トップで伝えている。

 小林製薬の「紅麹」成分入りサプリメントを巡る問題で、健康被害をもたらしたとする「未知の成分」の詳しい解析はこれからだが、成分が生じた原因について、専門家の見方は様々だとも伝えている。

 紅麹菌の仲間には「シトリニン」と呼ばれるカビ毒を作るものがあるが、同社はシトリニン生成に関わる遺伝子がないタイプがあると論文で報告。これを選んで製造に使っている。問題となった2023年7〜10月に製造したサプリメントの原料からこの成分は検出されなかったとしている。

 同社は未知の成分について、分析結果から「カビ類が生成する成分と構造が似ている」とし、〈1〉紅麹菌とは別のカビなどの異物が混入した〈2〉紅麹菌自体が想定しない成分を生み出した――の両面で解析を進める。

 同社の見方に対し、専門家の意見も分かれる。


 日本の薬害で多数の被害者が出た事件として、50年代末から60年代のサリドマイド、60から70年代にかけてのスモン、同じころ、クロロキン、そして薬害エイズと思いつくままにこれだけの被害がでている。
 1985(昭和60)年ごろ、小学校2年生くらいだった女児にサリドマイドと同じような症状が出ていたので、60年代で完結していないのではないか。サリドマイドは。

 大きく分けると公害病と薬害とに分かれる化学物質を摂取したことによる体の異変。当事者にしてみれば、これほど辛いことはない。
 ところが、米国では薬害サリドマイドを防いでいるのだ。FDA(食品医薬品局)のフランシス・ケルシー博士が胎児への影響に関するデータがないという理由で認可されなかったことで、米国内でのサリドマイド発売は阻止された。

 サプリメント全盛時代というのか、通販で値引きせずに販売でき、大儲けできることから、あらゆる企業が通販サプリに参入している。
 TVで大々的に宣伝するから消費者は簡単に洗脳されてしまう。
 他者のことを言っているのではない。
 かくいう自分だってサプリを摂取している。何を摂っているかは内緒であるが、こういうものは、自己暗示というのか効くと思って飲まなければ効果がないので、気休めだとはわかっちゃいるがやめられない。

 ところがである。
 効かないだろうと思いつつ摂っているサプリが効いたどころか、これが原因で病気になり、死んでしまったと言うのではこれは許せない。
 しかも、社長は辞職せず、責任を取ろうとしない。開き直って被害者に対し、謝罪もしていない。許せない。
 石をぶつけてやりたいと被害者の遺族は思っているかもしれない。
 死んでしまった人間は生き返らせられない。後はきちんと補償してもらわなければならない。

 サプリはそもそも効かなくても誰も文句は言わないものだ。
 気休めなのだから。
 ただし、効きすぎというか、体に害があるようなものを販売していいわけがないだろう。
 サプリの通販でカネ儲けしている経営者は安全第一、このくらいはわかっていてもらわないと困る。
posted by 遥か at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題・公害問題