二酸化炭素(CO2)の排出削減につながる次世代航空燃料「SAF」の原料として、天ぷらや揚げ物の調理で使い終わった植物油(廃食油)に注目が集まっている。SAFは世界中で使用が広がり、来年には国内でも製造が始まる。廃食油は争奪戦の様相を呈している。と3月19日の読売(山下智寛記者)が伝えている。
◆SAF(持続可能な航空燃料)は廃食油や藻類などが原料。燃焼時に排出されるCO2は、原料の植物が光合成で吸収した量と相殺されるため、ジェット燃料に比べ、排出量を実質8割削減できる。と解説があった。
川崎市では2007年から、市民団体「かわさきかえるプロジェクト)が民家や公共施設など約150か所に廃食油の回収拠点を設け、回収してせっけんなどにリサイクルする。
地球温暖化への関心が高まり、原油由来のジェット燃料を使用して大量のCO2を排出する航空機には、欧米を中心に「フライト・シェイム(飛び恥)」との批判が強まっている。
代わる燃料として期待されるのが、植物由来のSAF。20年の全世界の製造量は6・3万キロ・リットルだが、国連の国際民間航空機関(ICAO)は、50年の需要量は、6億5000万キロ・リットルに達すると見込む。
そこで注目されているのが、年間10万トン排出される家庭の廃食油だが、回収は1割ほどにとどまる。
京都市や神奈川県藤沢市など、一般ごみと同じように回収拠点を設けたり、戸別に回収したりする自治体はある。東京都は23年度から、廃食油を回収する都内の区市町村に対し、回収経費を最大200万円補助する取り組みを始めている。
廃食油を回収してせっけんを作っていることは環境問題に関心があったことから知っていた。
廃食油を航空燃料にする試みも知ってはいたが、争奪戦になるほどとは知らなかった。
東京都とイトーヨーカ堂は、持続可能な航空燃料(SAF)の原料となる廃食用油の回収キャンペーン等を共同で実施している。と江東区の㏋にある。
リターナブルボトルを活用した廃食用油の回収だ。回収したら、せっけんをつくり、SAFも当然視野にいれているらしい。
近くのスーパーがペットボトルや牛乳パックを回収することに協力しているので、プラスして廃食油を回収することだってやる気になればできないことはない。
江戸時代の循環型社会を経ている日本は、リサイクルなどやる気になれば何でもできる。
古紙回収として、新聞の回収、段ボールや雑誌、本、次いで、びん、かん、その次がペットボトル、電池や蛍光灯、プラスチックを回収している自治体もある。牛乳パックやトレイはスーパーで回収している。廃食油の回収だってその気になれば難しいことではないだろう。
語り継ぐ戦争では、日本は資源に乏しかったことから、資源を手に入れるために戦線を広げ過ぎた。
敗色濃厚になるや、寺の鐘などめぼしい金属類は供出、松の根から松根油を取り出し、航空燃料になどと考えたこともあったやに聞く。
ごみは「分ければ資源」という標語を考えた人がいたが、雑紙まで自治体の回収では持って行ってくれる。
回収した廃食油で石けんを作ることだって悪いことでは無論ないが、航空燃料として使われた方がさらに地球環境のためにはベターである。
家庭から出る所謂生ごみ、野菜くずなどを畑に埋めることで循環型社会を作るための一助にしているわが家では、自治体の回収には当然のことながら協力的であるし、町内会(自治会)の資源回収にも協力的である。
ただし、天ぷらとかフライなどはお総菜売り場から買い求めてしまうため、廃食油の回収だけは参加できない。
まあ、食生活の問題でもあるが、天ぷらやフライなどほとんど食さず、ほぼ、野菜中心に食事しているし、脂を控えているからか、コレステロールなどの検査値も悪くない。
だから、回収は廃食油がたくさん出る家庭にお願いするしかないのである。