約10万人が犠牲になった1945年の東京大空襲から10日で79年となる。現在の江東区で7歳のときに大空襲に遭った国分寺市の浜田嘉一さん(86)は、語り部として自身の体験を伝えている。浜田さんは「二度と戦争を起こさないために、平和の尊さを訴えていきたい」と語る。と3月10日の読売(井上勇人記者)が伝えている。
「ほかの体験者が経験を語っているし、仕事が忙しいので、自分が話す必要はない」と思っていた浜田さん。2016年。長年連れ添った妻が亡くなり、「この先どうしようか」考え、「空襲の記憶を語れるのは80歳代が最後の年齢層かも。あの悲劇を風化させてはいけない」と語り部として残りの人生を捧げることを決めた。
18年に友人や東京大空襲経験者でつくる『東京大空襲を忘れない』実行委員会」を設立。自らが代表となり、絵画・写真展や空襲体験者らによる座談会などを開いてきた。
昨日、偶々東京は錦糸町で開催されていた吹定という尺八を独りで吹くという会に行った。
忙しいので一部しか聞いていないが、東京大空種の日の演奏会だから、語り継ぐ戦争の立場から両国にある東京都慰霊堂に行き、お参りしなければと思わないわけではなかったが、以前、東京都慰霊堂では、自分のお参りのスタイルである尺八を吹いているので、昨日はお参り客も多いだろうからと見送った。
東京大空襲といえば、敗戦の日を終戦記念日と呼び変えたことと同様、空爆を空襲と呼んでいることに大いに疑問を抱いている。
空から襲撃されたことは間違いないが爆弾、焼夷弾を落とされ、焦土と化したのだから、やはり、空爆の方が正確だ。
パレスチナのハマスがイスラエルに侵入し、多数を殺傷し、人質を取ったことに怒ったイスラエルはハマスをたたくという名目でガザ地区を滅茶苦茶に攻撃し、関係ない人まで殺傷し、物不足で餓死者まで出ているようなことが伝えられている。
日本もバカな軍人が真珠湾攻撃を仕掛けたために、怒った米国の復讐で東京大空襲、大空爆で1日で10万人が殺害され、ヒロシマ、ナガサキに原爆を落とされた。
勝ち目のない戦争を仕掛けたハマスも日本軍も愚かで、ために犠牲となった人々は何のために死んだのか。
戦争はやってはいけないことを確認するのが東京大空襲、大空爆など多数の犠牲者が出た日である。
2024年03月11日
2024年03月10日
賃金上昇と働く意欲が向上する環境を
家庭の事情で寝る時間が遅くなってしまうため、朝6時に目覚ましが鳴ってもなかなか起きられず、10分にもう一度目覚ましが鳴ってようやく起きると、連れ合いはもう10年以上続けているTV体操を始めようとしている。
毎朝のルーティンというのか『PERFECT DAYS』の平山さんではないが支度に1時間かかり、7時20分頃から洗濯を干しながらマイあさラジオ日曜日の今朝は畠山さんと渡辺ひとみさんが担当しているのを聞く。
夏場は起床時間が5時頃なのでもっと早くから聞いている。
今朝、東京大学名誉教授の神野直彦さんが自分とほぼ同じメッセージを発信されていたので、書いておく。
要約すると、失われた30年ということで日本経済が凋落しGDPでドイツにも抜かれた。
近年、据え置かれていた労働者の給料が春闘などでアップする気配を見せているが、消費者物価がそれ以上の勢いで上昇しているため、景気が良くなるほどは消費が活発化していない。
これは米国新自由主義勢力主導で企業が株主のためにあるということで、本来経営者と労働者で支えてきた企業経営が揺らぎ、株主への配当ばかり求めるようになり、人件費が目の敵にされ、切り捨てられてきたため、労働三法で守られてきた労働者の首切りをしやすくする派遣労働の導入、労働者の非正規雇用化が進められてきた。
数を減らされた労働者は長時間労働で体も心も蝕まれ、労働意欲は大幅に低下している。
ベースアップも大事なことだが、同時に労働環境をよくしない限り、労働者の意欲がアップせず、労働生産性は上がらない。(ダイハツのように過重労働によるしわよせが労働者の不正行為となり、どこの企業からも目立つようになった)
30年前、日本経済が好調だった頃、日本型経営―すなわち労働者は定年まで身分が保証されていたから、会社のためなら労を厭わなかった。
好調だった日本企業に目をつけた米国新自由主義勢力は企業は株主のためにあるのだとばかりに、日本型経営にいちゃもんをつけ、労働者の首を切りやすくする一方で、労働者の長時間労働などオーバーワークともいうべき劣悪な労働環境が増える一方となった。
ということで、労働者のベースアップ、賃金上昇は経済をよくするために必須要件であるが、同時に労働環境が改善為されなければ長期的に安定した経済とはならない。
株主の利益だけ追求するのではダメで、労働者があっての企業であるということに尽きる。
自由のために書き続けている自分が失われた30年という日本経済がダメになった原因について訴えてきたこととほぼ同じ内容の神野さんのメッセージに嬉しくなって書いた。
自分とは立場が異なり、経済学者だから株主主導新自由主義に批判的なメッセージは説得力がある。
戦後、79年の3月10日だから語り継ぐ戦争の立場としては、東京大空襲、空爆のことを書かなければならない。
語り継ぐ戦争で、いろいろ知識を得るうちに明らかに自分が反米になっていたことに気づく。
日本に沖縄を筆頭に広大な面積の米軍基地があるのは米軍が日本を守るためではなく、戦前のように日本に帝国主義が復活するような事態が起きないようにするためだということ。
ために、東京の制空権を米空軍横田基地が握っていること。
米国大統領が来日するときは羽田ではなく決まって横田基地にやってくる。
首都圏では座間に在日米陸軍司令部があり、厚木と横須賀に米海軍基地がある。
戦争に敗れたから米国には何も言えないとしてきた自民党政権では日本の主体性を取り戻すことはできず、米国の言うがままにトマホークを買わされ、事故ばかり起こしている欠陥ヘリオスプレイ配備にも何も言えない。
日米安保、日米地位協定の不平等条約を改正しようともしない自民党政権では国民の命を守れない。
さらに言えば、仮の話をしても無意味だが、トランプのような新自由主義の権化、自分さえよければいい、米国だけ繁栄すればいいという身勝手な男が再び権力を握ったら怖ろしいことになりそうだ。
何しろ、プーチンと手を組むというようなことを言っているし、議会を襲撃させるようなことをする男だから民主主義を否定してわけで、独裁者と変わらないからだ。
とにかく、東京大空襲が遭った3月10日は、明日の3月11日の東日本大震災と共に大勢が犠牲となっていることを忘れてはならない。
労働者が守られ、経済が良くなり、貧困に苦しむ人たちが少しでも減るような社会にしていかなければ、亡くなった人たちに顔向けできない。
毎朝のルーティンというのか『PERFECT DAYS』の平山さんではないが支度に1時間かかり、7時20分頃から洗濯を干しながらマイあさラジオ日曜日の今朝は畠山さんと渡辺ひとみさんが担当しているのを聞く。
夏場は起床時間が5時頃なのでもっと早くから聞いている。
今朝、東京大学名誉教授の神野直彦さんが自分とほぼ同じメッセージを発信されていたので、書いておく。
要約すると、失われた30年ということで日本経済が凋落しGDPでドイツにも抜かれた。
近年、据え置かれていた労働者の給料が春闘などでアップする気配を見せているが、消費者物価がそれ以上の勢いで上昇しているため、景気が良くなるほどは消費が活発化していない。
これは米国新自由主義勢力主導で企業が株主のためにあるということで、本来経営者と労働者で支えてきた企業経営が揺らぎ、株主への配当ばかり求めるようになり、人件費が目の敵にされ、切り捨てられてきたため、労働三法で守られてきた労働者の首切りをしやすくする派遣労働の導入、労働者の非正規雇用化が進められてきた。
数を減らされた労働者は長時間労働で体も心も蝕まれ、労働意欲は大幅に低下している。
ベースアップも大事なことだが、同時に労働環境をよくしない限り、労働者の意欲がアップせず、労働生産性は上がらない。(ダイハツのように過重労働によるしわよせが労働者の不正行為となり、どこの企業からも目立つようになった)
30年前、日本経済が好調だった頃、日本型経営―すなわち労働者は定年まで身分が保証されていたから、会社のためなら労を厭わなかった。
好調だった日本企業に目をつけた米国新自由主義勢力は企業は株主のためにあるのだとばかりに、日本型経営にいちゃもんをつけ、労働者の首を切りやすくする一方で、労働者の長時間労働などオーバーワークともいうべき劣悪な労働環境が増える一方となった。
ということで、労働者のベースアップ、賃金上昇は経済をよくするために必須要件であるが、同時に労働環境が改善為されなければ長期的に安定した経済とはならない。
株主の利益だけ追求するのではダメで、労働者があっての企業であるということに尽きる。
自由のために書き続けている自分が失われた30年という日本経済がダメになった原因について訴えてきたこととほぼ同じ内容の神野さんのメッセージに嬉しくなって書いた。
自分とは立場が異なり、経済学者だから株主主導新自由主義に批判的なメッセージは説得力がある。
戦後、79年の3月10日だから語り継ぐ戦争の立場としては、東京大空襲、空爆のことを書かなければならない。
語り継ぐ戦争で、いろいろ知識を得るうちに明らかに自分が反米になっていたことに気づく。
日本に沖縄を筆頭に広大な面積の米軍基地があるのは米軍が日本を守るためではなく、戦前のように日本に帝国主義が復活するような事態が起きないようにするためだということ。
ために、東京の制空権を米空軍横田基地が握っていること。
米国大統領が来日するときは羽田ではなく決まって横田基地にやってくる。
首都圏では座間に在日米陸軍司令部があり、厚木と横須賀に米海軍基地がある。
戦争に敗れたから米国には何も言えないとしてきた自民党政権では日本の主体性を取り戻すことはできず、米国の言うがままにトマホークを買わされ、事故ばかり起こしている欠陥ヘリオスプレイ配備にも何も言えない。
日米安保、日米地位協定の不平等条約を改正しようともしない自民党政権では国民の命を守れない。
さらに言えば、仮の話をしても無意味だが、トランプのような新自由主義の権化、自分さえよければいい、米国だけ繁栄すればいいという身勝手な男が再び権力を握ったら怖ろしいことになりそうだ。
何しろ、プーチンと手を組むというようなことを言っているし、議会を襲撃させるようなことをする男だから民主主義を否定してわけで、独裁者と変わらないからだ。
とにかく、東京大空襲が遭った3月10日は、明日の3月11日の東日本大震災と共に大勢が犠牲となっていることを忘れてはならない。
労働者が守られ、経済が良くなり、貧困に苦しむ人たちが少しでも減るような社会にしていかなければ、亡くなった人たちに顔向けできない。
2024年03月09日
小麦粉の代替 米粉で日本の農業を守る
小麦などの穀物価格が世界的に高騰する中、日本で自給可能な米粉の活用はわが国の食料安全保障を強化する上で注目されている。ということで3月7日の読売(丸山菜々子記者)が「転換力」というタイトルで「県産米でおいしい米粉麺」「電子機器会社 研究重ね」という見出しで米粉の消費が拡大すれば「日本の農業を守ることにも貢献できる」と意気込む社長の決意が伝えられている。
福島県天栄村の電子機器製造会社「アルファ電子」が食品製造分野に参入し、2021年3月に米粉麺「う米めん」を発売した。
食品工場は村と隣接する須賀川市にある。工場では、県産米の「天のつぶ」と「コシヒカリ」を製粉し、白米麺と玄米麺を併せて一日当たり約2000食分製造している。
タンパク質の一種「グルテン」が含まれず、アレルギーのある人でも美味しく食べられるそうな。
厳しい経営環境から、やがて父親から社長を引き継ぐ樽川千賀子さんが「オリジナル商品を作る」ことを考え、2019年に製麺研究に乗り出し、試行錯誤を重ね、工学院大学の協力も得て、美味しい米粉麺を追求した。
国の事業再構築補助金を活用し、22年に米粉麺専用の工場を新設。会社全体の売り上げの2割を目標に販路の拡大に力を注ぐ。
食料自給率を高めることがわが国の安全にとっても最重要課題となっている。
わが国の農業は何と言っても米作りが中心だった。
コメ離れが叫ばれて久しいが、学校給食で主食を米にし、麺類などは米粉を使うことを徹底しなければならない。
語り継ぐ戦争だから、敗戦後79年経つ2024年になっても勝者米国が広大な面積の基地を占拠し日本を支配してきたことを指摘してきた。
米国は日本が二度と米国に逆らうことがないように米軍基地をあちこちにおいて目を光らせている。
しかも、米国農民が作った小麦やトウモロコシを輸入させ、日本では作らせないように糸を引いてきた。
日米安保の下、日米地位協定のような不平等条約を結ばされ、横田基地が東京の空の制空権を握ってきた。
それでも、日本の米作りに関しては米国が関与することはないはずだから、米粉で小麦粉の代替にしても黙認されるだろう。
米作りをどんどん奨励し、米粉づくりも奨励していく必要がある。
電子機器会社だけでなく、JAが主となって米粉づくりを奨励しなければならない。
政府も米作り=米粉づくりにもっと力をいれるべきだ。
福島県天栄村の電子機器製造会社「アルファ電子」が食品製造分野に参入し、2021年3月に米粉麺「う米めん」を発売した。
食品工場は村と隣接する須賀川市にある。工場では、県産米の「天のつぶ」と「コシヒカリ」を製粉し、白米麺と玄米麺を併せて一日当たり約2000食分製造している。
タンパク質の一種「グルテン」が含まれず、アレルギーのある人でも美味しく食べられるそうな。
厳しい経営環境から、やがて父親から社長を引き継ぐ樽川千賀子さんが「オリジナル商品を作る」ことを考え、2019年に製麺研究に乗り出し、試行錯誤を重ね、工学院大学の協力も得て、美味しい米粉麺を追求した。
国の事業再構築補助金を活用し、22年に米粉麺専用の工場を新設。会社全体の売り上げの2割を目標に販路の拡大に力を注ぐ。
食料自給率を高めることがわが国の安全にとっても最重要課題となっている。
わが国の農業は何と言っても米作りが中心だった。
コメ離れが叫ばれて久しいが、学校給食で主食を米にし、麺類などは米粉を使うことを徹底しなければならない。
語り継ぐ戦争だから、敗戦後79年経つ2024年になっても勝者米国が広大な面積の基地を占拠し日本を支配してきたことを指摘してきた。
米国は日本が二度と米国に逆らうことがないように米軍基地をあちこちにおいて目を光らせている。
しかも、米国農民が作った小麦やトウモロコシを輸入させ、日本では作らせないように糸を引いてきた。
日米安保の下、日米地位協定のような不平等条約を結ばされ、横田基地が東京の空の制空権を握ってきた。
それでも、日本の米作りに関しては米国が関与することはないはずだから、米粉で小麦粉の代替にしても黙認されるだろう。
米作りをどんどん奨励し、米粉づくりも奨励していく必要がある。
電子機器会社だけでなく、JAが主となって米粉づくりを奨励しなければならない。
政府も米作り=米粉づくりにもっと力をいれるべきだ。
2024年03月08日
ALS嘱託殺人医師に懲役18年判決
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対する嘱託殺人罪や、共謀したとされる元医師の父親への殺人罪などに問われた医師の被告(45)の裁判員裁判で、京都地裁は5日、懲役18年(求刑・懲役23年)の判決を言い渡した。川上宏裁判長は「被告の生命軽視の姿勢は顕著で、強い非難に値する」と述べた。と3月6日の読売が伝えている。
患者は当時51歳の女性。弁護側は「被告の行為を刑法で処罰すると、女性は国家によって『望まない生』を強いられる結果となり、自己決定権を保障する憲法に反する」と無罪を求めていた。
川上裁判長は判決で、「自己決定権は個人の生存が前提で、命を絶つために他者の援助を求める権利は導き出せない」と指摘した。
女性のような境遇の患者に対する嘱託殺人で、罪に問われない要件として、〈1〉死期が迫り、苦痛を除去・緩和する他の手段がない〈2〉近親者の意見も参考に、患者の意思を慎重に見極める〈3〉苦痛の少ない方法を用いる〈4〉事後に検証できるよう記録する――を提示。「女性の主治医ではない被告は近親者に知らせることもなく秘密裏に、その日会ったばかりの女性を、軽々しく殺害しており、社会的相当性は到底認められない」とし、嘱託殺人罪の成立を認めた。
嘱託殺人所謂安楽死を扱った森鴎外『高瀬舟』(新潮文庫)を10代の頃、読んで激しく心を揺さぶられた。
一方で、山本周五郎『五辨の椿』(新潮文庫)を読んだときは、母親が夫である娘の父親をないがしろにし、男と遊んでいたことに憤りを禁じえなかった娘が母親を誘惑した男たちに復讐するという話にも激しく心を揺さぶられた。
『高瀬舟』は、江戸時代、罪人を輸送する高瀬舟の船頭が、弟を殺した罪人の喜助がおよそ罪人らしくないことに気づき、喜助の話に耳を傾けるという作品である。
この作品のテーマは「知足」と「安楽死」だとされているが、未熟だった自分は安楽死にばかり目が向き、知足のことにまでは留意することができなかった。
船頭庄兵衛が罪人として護送される喜助の様子が達観しているというかあまりにも晴れやかなことに気づいていることからして、古希を過ぎた今なら、いつお迎えが来てもという年代になっている割に、達観できていない自分からみても、喜助の人間としての凄さに感嘆する。
高瀬舟の喜助を例にするなら、嘱託殺人で起訴されている被告が医師であり、死亡した女性から明らかな依頼があったとしても、責任を問われたことは理解できる。
ただし、依頼者からの願いに応えたことからして、一般の殺人事件とは全く事情が異なっていることから懲役18年ということは明らかに厳罰すぎるのではないか。
西部邁さんが連れ合いに先立たれ、後を追おうと弟子にお願いした嘱託殺人事件でも、検察は厳しい態度で起訴したが、師弟関係では師匠の言うことは絶対ということもあり、裁く対象とはならないと考えていたら、裁判で有罪となったことは許せない。
自分がALSになったと想像しただけで生き抜く自信は全くないが、自死するだけの決断ができなければ、誰かの手を借りなければならない。
生命倫理とか言っても、苦しいから死にたいと言っている人間は静かに希望を叶えてやる必要があるはずだ。
自らが病気の苦しみを知らない人は患者の気持ちが理解できない。
裁判官はこれが仕事ではあるが、患者の気持ちをもっと考えてもいいのではないか。
患者は当時51歳の女性。弁護側は「被告の行為を刑法で処罰すると、女性は国家によって『望まない生』を強いられる結果となり、自己決定権を保障する憲法に反する」と無罪を求めていた。
川上裁判長は判決で、「自己決定権は個人の生存が前提で、命を絶つために他者の援助を求める権利は導き出せない」と指摘した。
女性のような境遇の患者に対する嘱託殺人で、罪に問われない要件として、〈1〉死期が迫り、苦痛を除去・緩和する他の手段がない〈2〉近親者の意見も参考に、患者の意思を慎重に見極める〈3〉苦痛の少ない方法を用いる〈4〉事後に検証できるよう記録する――を提示。「女性の主治医ではない被告は近親者に知らせることもなく秘密裏に、その日会ったばかりの女性を、軽々しく殺害しており、社会的相当性は到底認められない」とし、嘱託殺人罪の成立を認めた。
嘱託殺人所謂安楽死を扱った森鴎外『高瀬舟』(新潮文庫)を10代の頃、読んで激しく心を揺さぶられた。
一方で、山本周五郎『五辨の椿』(新潮文庫)を読んだときは、母親が夫である娘の父親をないがしろにし、男と遊んでいたことに憤りを禁じえなかった娘が母親を誘惑した男たちに復讐するという話にも激しく心を揺さぶられた。
『高瀬舟』は、江戸時代、罪人を輸送する高瀬舟の船頭が、弟を殺した罪人の喜助がおよそ罪人らしくないことに気づき、喜助の話に耳を傾けるという作品である。
この作品のテーマは「知足」と「安楽死」だとされているが、未熟だった自分は安楽死にばかり目が向き、知足のことにまでは留意することができなかった。
船頭庄兵衛が罪人として護送される喜助の様子が達観しているというかあまりにも晴れやかなことに気づいていることからして、古希を過ぎた今なら、いつお迎えが来てもという年代になっている割に、達観できていない自分からみても、喜助の人間としての凄さに感嘆する。
高瀬舟の喜助を例にするなら、嘱託殺人で起訴されている被告が医師であり、死亡した女性から明らかな依頼があったとしても、責任を問われたことは理解できる。
ただし、依頼者からの願いに応えたことからして、一般の殺人事件とは全く事情が異なっていることから懲役18年ということは明らかに厳罰すぎるのではないか。
西部邁さんが連れ合いに先立たれ、後を追おうと弟子にお願いした嘱託殺人事件でも、検察は厳しい態度で起訴したが、師弟関係では師匠の言うことは絶対ということもあり、裁く対象とはならないと考えていたら、裁判で有罪となったことは許せない。
自分がALSになったと想像しただけで生き抜く自信は全くないが、自死するだけの決断ができなければ、誰かの手を借りなければならない。
生命倫理とか言っても、苦しいから死にたいと言っている人間は静かに希望を叶えてやる必要があるはずだ。
自らが病気の苦しみを知らない人は患者の気持ちが理解できない。
裁判官はこれが仕事ではあるが、患者の気持ちをもっと考えてもいいのではないか。
2024年03月07日
植物で「肉」地球を救う
「食 世界」というタイトルで読売が連載をしているその1月29日スイス編で「植物で『肉』地球を救う」「温室ガス減 広がる販路」という見出しで、植物由来の材料を使った[Planted」の製品を紹介していた。
所謂代替肉のことである。
代替肉製造を手がけるプランテッドは2019年創業の大学発のベンチャー企業。共同創業者のルーカス・ブー二さん(34)は「一口ごとに世界をよくしたい」という信念を持つ。
肉の代わりにエンドウ豆やヒマワリの種、オーツ麦などの植物由来の材料を使い、人工の添加物は使っていない。
チューリヒ工科大で食品科学を専攻し、2013年のオーストラリアへの留学中、畜産業が環境負荷の大きい産業だと指摘する論文を目にした。肉を大量生産する処理方法に疑問を感じ、大好きだった肉を食べることができなくなった。
米国にいたいとこで食品会社に勤めていたパスカル・ビエリさん(38)から「代替肉を無添加で作れるかな」とSNSでメッセージが届く。
米国で市場に出回っていた代替肉を使ったハンバーガーに添加物が多いことに疑問を持ち、連絡してきたという。
代替肉の研究者と資金調達のノウハウを持つ仲間4人が共同創業者となり、プランテッドを設立した。
今、200人以上の従業員がいて、商品は欧州のスーパーなど約8700店で販売され、約6100のレストランで提供されている。
代替肉生産で排出する温室効果ガスは通常の肉と較べて2割程度。肉を大量消費せず、一部を植物由来に替えるだけで環境負荷が減ることを知ってほしいとブー二―さん。
食にこだわる人にビーガン(完全菜食主義者)がいると耳にする。
一方で、肉大好きという人だって滅茶苦茶に多いはずだ。
語り継ぐ戦争の団塊の世代の一人としては、子どもの頃、肉など食べた記憶はほとんどないからか、社会人になってから、外食していた昼食では肉を食したことが多かったような気がする。
そのことと、炎症性腸疾患クローン病に罹患したことと関係があるかどうか不明ながら、少しは影響があったかもしれないと勝手に思っている。
ただし、病気になってからは、厳しい食事制限を経て今日に至るので、今は肉は全く食さなくなった。
偶々、20年くらい前から狭い面積ながら野菜作りを始め、その後、有機無農薬での野菜作りに目覚めたから、今はその手作りの有機無農薬野菜を食している。
つまり、環境問題に関する意識が極めて高いので、有機無農薬での野菜作りをしているが、元は炎症性腸疾患になってしまったことが影響しているにちがいない。
肉が好きで肉ばかり食したからと言って長生きする人は長生きだろうし、野菜だけ食べていたから長生きするということがあるのかどうかわからない。
欧米は狩猟民族が多く、自分は農耕民族の一人だから、殺生が好きでないことも相俟って肉を食べていないが、代替肉には関心がある。
というのは、代替肉の中身が体によさそうなもののようだからでもある。
一つ気づくのは肉が主の人と野菜が主の人とでは体型が異なるということで、野菜ばかり食している人より肉食の人の方がふっくらしていると思うのは偏見か。
地球環境への負荷が減ることはよいことであることは間違いないし、体にも良いとなれば、代替肉市場は有望である。
所謂代替肉のことである。
代替肉製造を手がけるプランテッドは2019年創業の大学発のベンチャー企業。共同創業者のルーカス・ブー二さん(34)は「一口ごとに世界をよくしたい」という信念を持つ。
肉の代わりにエンドウ豆やヒマワリの種、オーツ麦などの植物由来の材料を使い、人工の添加物は使っていない。
チューリヒ工科大で食品科学を専攻し、2013年のオーストラリアへの留学中、畜産業が環境負荷の大きい産業だと指摘する論文を目にした。肉を大量生産する処理方法に疑問を感じ、大好きだった肉を食べることができなくなった。
米国にいたいとこで食品会社に勤めていたパスカル・ビエリさん(38)から「代替肉を無添加で作れるかな」とSNSでメッセージが届く。
米国で市場に出回っていた代替肉を使ったハンバーガーに添加物が多いことに疑問を持ち、連絡してきたという。
代替肉の研究者と資金調達のノウハウを持つ仲間4人が共同創業者となり、プランテッドを設立した。
今、200人以上の従業員がいて、商品は欧州のスーパーなど約8700店で販売され、約6100のレストランで提供されている。
代替肉生産で排出する温室効果ガスは通常の肉と較べて2割程度。肉を大量消費せず、一部を植物由来に替えるだけで環境負荷が減ることを知ってほしいとブー二―さん。
食にこだわる人にビーガン(完全菜食主義者)がいると耳にする。
一方で、肉大好きという人だって滅茶苦茶に多いはずだ。
語り継ぐ戦争の団塊の世代の一人としては、子どもの頃、肉など食べた記憶はほとんどないからか、社会人になってから、外食していた昼食では肉を食したことが多かったような気がする。
そのことと、炎症性腸疾患クローン病に罹患したことと関係があるかどうか不明ながら、少しは影響があったかもしれないと勝手に思っている。
ただし、病気になってからは、厳しい食事制限を経て今日に至るので、今は肉は全く食さなくなった。
偶々、20年くらい前から狭い面積ながら野菜作りを始め、その後、有機無農薬での野菜作りに目覚めたから、今はその手作りの有機無農薬野菜を食している。
つまり、環境問題に関する意識が極めて高いので、有機無農薬での野菜作りをしているが、元は炎症性腸疾患になってしまったことが影響しているにちがいない。
肉が好きで肉ばかり食したからと言って長生きする人は長生きだろうし、野菜だけ食べていたから長生きするということがあるのかどうかわからない。
欧米は狩猟民族が多く、自分は農耕民族の一人だから、殺生が好きでないことも相俟って肉を食べていないが、代替肉には関心がある。
というのは、代替肉の中身が体によさそうなもののようだからでもある。
一つ気づくのは肉が主の人と野菜が主の人とでは体型が異なるということで、野菜ばかり食している人より肉食の人の方がふっくらしていると思うのは偏見か。
地球環境への負荷が減ることはよいことであることは間違いないし、体にも良いとなれば、代替肉市場は有望である。
2024年03月06日
ナワリヌイ氏追悼 妻ユリアさん欧州議会で演説
ロシアの独立系人権団体「OVDインフォ」によると、反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の葬儀が行われた1日、モスクワなど全国19都市で少なくとも128人が当局に拘束された。ロシア当局はナワリヌイ氏の追悼を機にプーチン政権への抗議運動に発展する事態を警戒している。これまでのところ、反政権デモには発展していない。と3月2日の読売が夕刊で伝えている。
葬儀会場となったモスクワ市内の教会周辺には数千人の市民が集まったとみられ、その後、ナワリヌイ氏の遺体が埋葬された墓地に向かって大勢が行進した。OVDインフォのまとめでは、現地時間1日夜時点で、モスクワでは少なくとも17人が拘束された。
フランスのマクロン大統領は1日、「ナワリヌイ氏に哀悼の意を表することは非常に勇気のいることだった。何千人ものロシア人がその勇気を自分の中に見いだした。これこそが彼の遺産だ」とXに投稿した。ドイツのショルツ首相もXで、「ナワリヌイ氏の死後、勇気あるロシア人たちが彼の遺産を受け継いでいる。その多くが今日の葬儀に参列し、自由のために大きな危険を冒した」と参列者をたたえた。
ロシア北極圏の刑務所で死亡したロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻ユリア氏は28日、仏ストラスブールの欧州議会で演説し、対露制裁の強化を呼びかけた。プーチン露大統領が夫を殺害したと訴え、「組織的犯罪集団のリーダーだ」とプーチン氏を非難した。と3月5日の読売が伝えている。
ユリア氏は演説で、ロシアによるウクライナ侵略も念頭に「プーチンは、我が国や平和な隣国、そして私の夫に何をしたのか答えなければならない」と述べ、責任を追及する考えを強調した。夫の遺志を継いで反政権運動を続ける決意も表明した。
ロシアで自由を求めて活動中逮捕され、北極圏の刑務所に収容されて殺害されたナワリヌイさんのことがよほど怖かったのか21世紀のヒトラー+スターリンこと悪魔殺人鬼のプーチンに殺害されてしまったナワリヌイさん。彼の連れ合いユリアさんが欧州議会で訴え、ウクライナへの侵略と夫を殺害したその責任を追及する考えを強調した。
自らの手は汚さず、「組織的犯罪集団のリーダー」としてプーチンが殺人者に命令していたことを連れ合いは発信することができても、メディアは証拠がないからと殺害したとは書かないが、保険金殺人事件を例に、当事者が死んで利益がある者が犯人だということで、断定して書いてきた。
毎日書き続けてきた原動力は何と言っても「自由のために」であり、全ては此処から始まっている。
永遠に自由を奪われてしまったナワリヌイさんは連れ合いともどもまだ40代であり、その死は世界の心ある人々から惜しまれているが、「自由のために」「諦めるな!」というメッセージは歴史に刻まれ、ロシアに自由がもたらされた暁には殉教者として永遠に称えられことだろう。
そして、彼の葬儀に参列すれば、当局から逮捕される可能性が高いことからも危険を顧みず自由のために集まった人々にエールをおくりたい。
連れ合いのユリアさんにも悪魔殺人鬼の命令で殺人者が迫っているはずだから要注意だ。
ユリアさんが夫殺害の下手人として、悪魔殺人鬼の責任を追及することもまた要注意である。
己を批判した人間は皆殺されてしまっている事実があるからだ。
葬儀会場となったモスクワ市内の教会周辺には数千人の市民が集まったとみられ、その後、ナワリヌイ氏の遺体が埋葬された墓地に向かって大勢が行進した。OVDインフォのまとめでは、現地時間1日夜時点で、モスクワでは少なくとも17人が拘束された。
フランスのマクロン大統領は1日、「ナワリヌイ氏に哀悼の意を表することは非常に勇気のいることだった。何千人ものロシア人がその勇気を自分の中に見いだした。これこそが彼の遺産だ」とXに投稿した。ドイツのショルツ首相もXで、「ナワリヌイ氏の死後、勇気あるロシア人たちが彼の遺産を受け継いでいる。その多くが今日の葬儀に参列し、自由のために大きな危険を冒した」と参列者をたたえた。
ロシア北極圏の刑務所で死亡したロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻ユリア氏は28日、仏ストラスブールの欧州議会で演説し、対露制裁の強化を呼びかけた。プーチン露大統領が夫を殺害したと訴え、「組織的犯罪集団のリーダーだ」とプーチン氏を非難した。と3月5日の読売が伝えている。
ユリア氏は演説で、ロシアによるウクライナ侵略も念頭に「プーチンは、我が国や平和な隣国、そして私の夫に何をしたのか答えなければならない」と述べ、責任を追及する考えを強調した。夫の遺志を継いで反政権運動を続ける決意も表明した。
ロシアで自由を求めて活動中逮捕され、北極圏の刑務所に収容されて殺害されたナワリヌイさんのことがよほど怖かったのか21世紀のヒトラー+スターリンこと悪魔殺人鬼のプーチンに殺害されてしまったナワリヌイさん。彼の連れ合いユリアさんが欧州議会で訴え、ウクライナへの侵略と夫を殺害したその責任を追及する考えを強調した。
自らの手は汚さず、「組織的犯罪集団のリーダー」としてプーチンが殺人者に命令していたことを連れ合いは発信することができても、メディアは証拠がないからと殺害したとは書かないが、保険金殺人事件を例に、当事者が死んで利益がある者が犯人だということで、断定して書いてきた。
毎日書き続けてきた原動力は何と言っても「自由のために」であり、全ては此処から始まっている。
永遠に自由を奪われてしまったナワリヌイさんは連れ合いともどもまだ40代であり、その死は世界の心ある人々から惜しまれているが、「自由のために」「諦めるな!」というメッセージは歴史に刻まれ、ロシアに自由がもたらされた暁には殉教者として永遠に称えられことだろう。
そして、彼の葬儀に参列すれば、当局から逮捕される可能性が高いことからも危険を顧みず自由のために集まった人々にエールをおくりたい。
連れ合いのユリアさんにも悪魔殺人鬼の命令で殺人者が迫っているはずだから要注意だ。
ユリアさんが夫殺害の下手人として、悪魔殺人鬼の責任を追及することもまた要注意である。
己を批判した人間は皆殺されてしまっている事実があるからだ。
2024年03月05日
家族の記憶 1枚の集合写真 残留孤児
写真で伝える「ズームアップ」3月4日の読売(片岡航希記者)が夕刊で伝えたのは戦後79年を生きる残留孤児と呼ばれた小林栄一さん(84)が日本人の証として大切に持ち歩いた1枚の家族の集合写真と、東京江戸川区の都営住宅で週2回デイサービスに通い穏やかに暮らしているという小林さんが被写体となっている。
満蒙開拓団の一員として大陸に渡った両親の許、黒竜江省で3人兄弟の長男として生まれたが、末弟は亡くなり母も病死。終戦直前出征する父から「お前が日本人である証拠となるから大切に持っておきなさい」と写真を渡された。
孤児となり、弟は別の中国人に引き取られると過酷な日々が始まった。家をたらいまわしにされ、学校にも行けず、石炭拾いの労働を課される毎日。それでも、写真だけは父の教えを守り大切に持ち歩いた。
46歳で中国人の妻と3人の子どもと帰国。清掃の仕事などを必死に続けたが、言葉が話せず苦労を重ねた。
もう一人は名古屋市の佐々木麗さん(84)が名古屋市の墓地で満州で死別した両親の墓に「我又来了」と中国語で呼びかけお参りする姿が被写体となっている。
中国残留孤児の帰国が本格化して40年以上が経過し、平均年齢が85歳となり介護支援が必要になっているが、「戦争がなければ残留孤児となることはなかった」という小林さんの気持ちが語り継ぐ戦争だからよく理解できる。
先般、山田火砂子監督の『わたしのかあさん―天使の詩―』を観ていたことを書いた。
山田火砂子監督は『望郷の鐘 満蒙開拓団の落日』で、中国残留孤児の肉親探しに尽力し、「中国残留孤児の父」と呼ばれた山本慈昭の人生を描いている。
山本慈昭は信州阿智村にある満蒙開拓平和記念館のすぐ近くの高台にある長岳寺の住職だった。
阿智村から満蒙開拓団が送られることになり、国民学校の教員を兼ねていたことから、子どもたちの教師役として妻と二人の娘と教え子たちを連れて満洲へ渡った。
1945年8月9日未明のソ連の満州侵攻侵略で逃げ遅れた満蒙開拓団は集団自決に追い込まれたり、娘を性接待、性奴隷としてソ連の将校たちに差し出したり、両親が殺され、孤児となった子どもは中国人に引き取られたりした。
山本慈昭は敗戦後、シベリアに抑留され、帰国後、妻と二人の娘の消息不明を知らされ、阿智郷開拓団215人のうち8割は亡くなったとのことだった。
1964年(昭和39)年に訪中した山本は中国に子どもたちが残され、肉親に会いたがっているということで、残留孤児のことを知り、帰国のために尽力するのだ。
結果、多くの孤児たちが帰国でき、亡くなったとされていた長女とも再会することができるのだ。
映画を観て阿智村の満蒙開拓平和記念館を訪れ、長岳寺に行き、望郷の鐘を撞いてきたことを思い出した。
語り継ぐ戦争の立場としては、山崎豊子『大地の子』(文春文庫)が中国残留孤児のことを知るには最適だと思うが、読書はどうもという向きにはTVドラマ化され、評判となっているので、こちらを視聴するといいかもしれない。(残念ながら見逃してしまっている)
ロシアがウクライナに侵攻侵略し、ウクライナの子どもを拉致したのは、ロシアによる犯罪であるが、連れ去られた子どもが気の毒でならない。
満蒙開拓団の一員として大陸に渡った両親の許、黒竜江省で3人兄弟の長男として生まれたが、末弟は亡くなり母も病死。終戦直前出征する父から「お前が日本人である証拠となるから大切に持っておきなさい」と写真を渡された。
孤児となり、弟は別の中国人に引き取られると過酷な日々が始まった。家をたらいまわしにされ、学校にも行けず、石炭拾いの労働を課される毎日。それでも、写真だけは父の教えを守り大切に持ち歩いた。
46歳で中国人の妻と3人の子どもと帰国。清掃の仕事などを必死に続けたが、言葉が話せず苦労を重ねた。
もう一人は名古屋市の佐々木麗さん(84)が名古屋市の墓地で満州で死別した両親の墓に「我又来了」と中国語で呼びかけお参りする姿が被写体となっている。
中国残留孤児の帰国が本格化して40年以上が経過し、平均年齢が85歳となり介護支援が必要になっているが、「戦争がなければ残留孤児となることはなかった」という小林さんの気持ちが語り継ぐ戦争だからよく理解できる。
先般、山田火砂子監督の『わたしのかあさん―天使の詩―』を観ていたことを書いた。
山田火砂子監督は『望郷の鐘 満蒙開拓団の落日』で、中国残留孤児の肉親探しに尽力し、「中国残留孤児の父」と呼ばれた山本慈昭の人生を描いている。
山本慈昭は信州阿智村にある満蒙開拓平和記念館のすぐ近くの高台にある長岳寺の住職だった。
阿智村から満蒙開拓団が送られることになり、国民学校の教員を兼ねていたことから、子どもたちの教師役として妻と二人の娘と教え子たちを連れて満洲へ渡った。
1945年8月9日未明のソ連の満州侵攻侵略で逃げ遅れた満蒙開拓団は集団自決に追い込まれたり、娘を性接待、性奴隷としてソ連の将校たちに差し出したり、両親が殺され、孤児となった子どもは中国人に引き取られたりした。
山本慈昭は敗戦後、シベリアに抑留され、帰国後、妻と二人の娘の消息不明を知らされ、阿智郷開拓団215人のうち8割は亡くなったとのことだった。
1964年(昭和39)年に訪中した山本は中国に子どもたちが残され、肉親に会いたがっているということで、残留孤児のことを知り、帰国のために尽力するのだ。
結果、多くの孤児たちが帰国でき、亡くなったとされていた長女とも再会することができるのだ。
映画を観て阿智村の満蒙開拓平和記念館を訪れ、長岳寺に行き、望郷の鐘を撞いてきたことを思い出した。
語り継ぐ戦争の立場としては、山崎豊子『大地の子』(文春文庫)が中国残留孤児のことを知るには最適だと思うが、読書はどうもという向きにはTVドラマ化され、評判となっているので、こちらを視聴するといいかもしれない。(残念ながら見逃してしまっている)
ロシアがウクライナに侵攻侵略し、ウクライナの子どもを拉致したのは、ロシアによる犯罪であるが、連れ去られた子どもが気の毒でならない。
2024年03月04日
「世界の勇気ある女性賞」に五ノ井里奈さん
アメリカ国務省は1日、人権擁護や女性の地位向上などに貢献した人を表彰することしの「世界の勇気ある女性賞」を発表し、12人が選ばれ、日本からはみずからの性被害を訴え、自衛隊の改革にもつなげたとして、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが選ばれたとメディアが伝えている。
3月2日のNHKによれば、アメリカ国務省は受賞理由について、「自衛隊での性被害を訴え、日本社会ではタブー視されている問題に光を当てた。彼女の勇気は被害を受けたことのある無数の人たちに、もはや沈黙の中で苦しむことなく、みずからの経験を名乗り出ることを後押しした」と評価している。
3月2日の読売によれば、15年には妊娠や出産を理由にした職場の嫌がらせ「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)に悩む女性への支援活動を評価された小酒部さやかさんが受賞している。
五ノ井さんの告発は社会に影響を与えたと各地で評価されており、これまで米誌タイムの「次世代の100人」や英BBCの「女性100人」にも選ばれた。
五ノ井さんは2011年3月11日の東日本大震災で被災した人々を救援する自衛隊員の活躍を見て、自衛官になったと伝えられている。
その憧れの職場である自衛隊で性被害に遭うとは信じられないことだったに違いない。
しかし、五ノ井さんが凡人とは異なっていたのは性被害を泣き寝入りせず、後輩たちのためにもと勇気を振り絞って実名で告発したことである。
セクハラなどは日常茶飯事として行われてきたであろう自衛隊のような組織では性被害を告発することは現実には上から圧力がかかり耐えられるものではないはずだ。
自衛隊にいたわけではないにもかかわらず、セクハラが日常茶飯事として行われてきたであろうと断定できるのは若い男たちが性欲のはけ口に困っているはずだからだ。
自衛隊に限らず、若い男たちの集団生活する場の近くにははけ口となるような施設が必要なことは語り継ぐ戦争だからよく理解しているつもりだ。
アジア太平洋戦争で勝利した米軍は進駐軍の主力として日本にやってきてどれ程多数の女性に性暴力をしたことか。
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻侵略でウクライナの女性がロシアの兵隊にどれほど性暴力を受けたことか。
敗戦後の日本では、進駐軍のために国策でRAAという売春施設を作ったのは、米兵に日本女性が性暴力を受けることがわかっていたため、少しでも被害者を減らそうとする苦肉の策だった。
梅毒の感染があまりにも多かったので、ペニシリンなどの治療薬があった米国から取り寄せても間に合わないくらい盛況だった。
語り継ぐ戦争だから、1945年8月9日未明、っソ連軍が満州や朝鮮半島や樺太に侵攻侵略してきて、満蒙開拓団などの女性たちが滅茶苦茶に性暴力を受けたことは何回も書いている。
男たちの性欲のはけ口を作らないから性暴力が起きることはわかりきったことではないか。
語り継ぐ戦争ではあるが、自由主義者であるから、人身売買には絶対反対の立場である。しかし、自らの意志で生きるため、生活のために商売をするのは自由だから、その人たちに自衛隊の基地の近くで仕事をしてもらえばいいのである。性感染症には定期検査と治療が欠かせないことは言を俟たない。
性暴力を無くすために提言を書いたが、五ノ井さんの勇気ある告発が性暴力に泣き寝入りしていた女性たちが告発するために背中を押したことは間違いない。
一人の女性の勇気が閉鎖的な日本の社会を明らかに変えたことは政府から表彰されて当然だが、日本の自民党政権を支えている自民党には差別発言を繰り返す女性がいて、米国の国務省から表彰されるとのことで、やはり、性暴力に関しての告発も米国の方が進歩的であった。
ホワイトハウスで表彰されるとも伝えられているので、メディアも大きく取り上げ、日本社会が変わりつつあることを発信してもらいたい。
3月2日のNHKによれば、アメリカ国務省は受賞理由について、「自衛隊での性被害を訴え、日本社会ではタブー視されている問題に光を当てた。彼女の勇気は被害を受けたことのある無数の人たちに、もはや沈黙の中で苦しむことなく、みずからの経験を名乗り出ることを後押しした」と評価している。
3月2日の読売によれば、15年には妊娠や出産を理由にした職場の嫌がらせ「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)に悩む女性への支援活動を評価された小酒部さやかさんが受賞している。
五ノ井さんの告発は社会に影響を与えたと各地で評価されており、これまで米誌タイムの「次世代の100人」や英BBCの「女性100人」にも選ばれた。
五ノ井さんは2011年3月11日の東日本大震災で被災した人々を救援する自衛隊員の活躍を見て、自衛官になったと伝えられている。
その憧れの職場である自衛隊で性被害に遭うとは信じられないことだったに違いない。
しかし、五ノ井さんが凡人とは異なっていたのは性被害を泣き寝入りせず、後輩たちのためにもと勇気を振り絞って実名で告発したことである。
セクハラなどは日常茶飯事として行われてきたであろう自衛隊のような組織では性被害を告発することは現実には上から圧力がかかり耐えられるものではないはずだ。
自衛隊にいたわけではないにもかかわらず、セクハラが日常茶飯事として行われてきたであろうと断定できるのは若い男たちが性欲のはけ口に困っているはずだからだ。
自衛隊に限らず、若い男たちの集団生活する場の近くにははけ口となるような施設が必要なことは語り継ぐ戦争だからよく理解しているつもりだ。
アジア太平洋戦争で勝利した米軍は進駐軍の主力として日本にやってきてどれ程多数の女性に性暴力をしたことか。
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻侵略でウクライナの女性がロシアの兵隊にどれほど性暴力を受けたことか。
敗戦後の日本では、進駐軍のために国策でRAAという売春施設を作ったのは、米兵に日本女性が性暴力を受けることがわかっていたため、少しでも被害者を減らそうとする苦肉の策だった。
梅毒の感染があまりにも多かったので、ペニシリンなどの治療薬があった米国から取り寄せても間に合わないくらい盛況だった。
語り継ぐ戦争だから、1945年8月9日未明、っソ連軍が満州や朝鮮半島や樺太に侵攻侵略してきて、満蒙開拓団などの女性たちが滅茶苦茶に性暴力を受けたことは何回も書いている。
男たちの性欲のはけ口を作らないから性暴力が起きることはわかりきったことではないか。
語り継ぐ戦争ではあるが、自由主義者であるから、人身売買には絶対反対の立場である。しかし、自らの意志で生きるため、生活のために商売をするのは自由だから、その人たちに自衛隊の基地の近くで仕事をしてもらえばいいのである。性感染症には定期検査と治療が欠かせないことは言を俟たない。
性暴力を無くすために提言を書いたが、五ノ井さんの勇気ある告発が性暴力に泣き寝入りしていた女性たちが告発するために背中を押したことは間違いない。
一人の女性の勇気が閉鎖的な日本の社会を明らかに変えたことは政府から表彰されて当然だが、日本の自民党政権を支えている自民党には差別発言を繰り返す女性がいて、米国の国務省から表彰されるとのことで、やはり、性暴力に関しての告発も米国の方が進歩的であった。
ホワイトハウスで表彰されるとも伝えられているので、メディアも大きく取り上げ、日本社会が変わりつつあることを発信してもらいたい。
2024年03月03日
DV被害 支援に工夫 刑事政策懸賞論文優秀賞
「犯罪被害者等のための施策の充実に向けた新たな取り組みについて」をテーマに、日本刑事政策研究会が募集した懸賞論文(読売新聞社共催)の入選作品が決まった。優秀賞には成蹊大学法学部4年・松井凛奈さん(22)の「ふれあいを重視したDV被害者とその家族への新たな支援施策」が選ばれた。と1月30日の読売が伝えていた。
優秀賞の要旨が紹介されていたので、書いておく。
家庭内暴力(DV)対策を強化する改正配偶者暴力防止・被害者保護法が2023年5月12日に成立したが、検挙件数は高止まり傾向のままとなっている。
懸念すべきはDV家庭の子どもへの影響である。そこでふれあいを重視した解決策として、郵便や宅配の配達員にDVを発見するしてもらうことで早期発見につなげる。ために、発見するために注目すべき点を事前に学んでもらう。配偶者暴力相談支援センターのスタッフらがスーパーや商業施設などに出向いて相談窓口を設置。
母親が被害者のケースでは、特に、施設で保護する段階で子どもと分離させない支援が重要だ。母親の社会復帰を手助けするほか、母子の絆を維持させる。退所後の自立を見据え、子ども食堂のような施設外の場所で社会と関わりを持てる制度も導入する。このような支援で被害者にも横のつながりができる。
要約でわかったことは、社会としてDVを許さない。見過ごさないということで、早期発見と相談体制の充実ということになろうか。さらに、被害者の連帯というか、ネットワーク化で悩みを共有し、乗り越えていく一助とするのだ。
犯罪被害者支援を訴えてきた立場であるから、「犯罪被害者等のための施策の充実に向けた新たな取り組みについて」というテーマは大いに関心がある。
DVと虐待、ストーカーの対策は、有効的な対策が長いこととられてこなかったので、増加傾向が続いている。
DVと暴力夫と暴力妻は簡単には切り離すことはできない。
虐待を絡めると、子どもの頃、虐待を受けたものは、長じて虐待、DV、そしてストーカーと暴力で配偶者などを支配しようとする例が多いような気がしてならない。
ということは、母親がDV被害を受けている現場に居合わせた子どもに悪い影響が及ばないわけがないということでもある。
DVを減少させるためには、早期に発見することと同時に相談できる場所を増やし、DV現場から救い出すことが重要になってくる。
DVの被害者が逃げ出せば、加害者のほとんどがストーカーとなって追いかけまわすということもよくあることだ。
DVだけの解決ということは少なくて、虐待、ストーカーの問題と関連させて解決策を考えていく必要があるのではないか。
法律を学ぶ若い人が住みよい社会を作るため、犯罪被害者等のための施策の充実を考えて、解決策を提起することは素晴らしいことだ。
優秀賞だけでなく佳作に入選された人も共にエールをおくりたい。
優秀賞の要旨が紹介されていたので、書いておく。
家庭内暴力(DV)対策を強化する改正配偶者暴力防止・被害者保護法が2023年5月12日に成立したが、検挙件数は高止まり傾向のままとなっている。
懸念すべきはDV家庭の子どもへの影響である。そこでふれあいを重視した解決策として、郵便や宅配の配達員にDVを発見するしてもらうことで早期発見につなげる。ために、発見するために注目すべき点を事前に学んでもらう。配偶者暴力相談支援センターのスタッフらがスーパーや商業施設などに出向いて相談窓口を設置。
母親が被害者のケースでは、特に、施設で保護する段階で子どもと分離させない支援が重要だ。母親の社会復帰を手助けするほか、母子の絆を維持させる。退所後の自立を見据え、子ども食堂のような施設外の場所で社会と関わりを持てる制度も導入する。このような支援で被害者にも横のつながりができる。
要約でわかったことは、社会としてDVを許さない。見過ごさないということで、早期発見と相談体制の充実ということになろうか。さらに、被害者の連帯というか、ネットワーク化で悩みを共有し、乗り越えていく一助とするのだ。
犯罪被害者支援を訴えてきた立場であるから、「犯罪被害者等のための施策の充実に向けた新たな取り組みについて」というテーマは大いに関心がある。
DVと虐待、ストーカーの対策は、有効的な対策が長いこととられてこなかったので、増加傾向が続いている。
DVと暴力夫と暴力妻は簡単には切り離すことはできない。
虐待を絡めると、子どもの頃、虐待を受けたものは、長じて虐待、DV、そしてストーカーと暴力で配偶者などを支配しようとする例が多いような気がしてならない。
ということは、母親がDV被害を受けている現場に居合わせた子どもに悪い影響が及ばないわけがないということでもある。
DVを減少させるためには、早期に発見することと同時に相談できる場所を増やし、DV現場から救い出すことが重要になってくる。
DVの被害者が逃げ出せば、加害者のほとんどがストーカーとなって追いかけまわすということもよくあることだ。
DVだけの解決ということは少なくて、虐待、ストーカーの問題と関連させて解決策を考えていく必要があるのではないか。
法律を学ぶ若い人が住みよい社会を作るため、犯罪被害者等のための施策の充実を考えて、解決策を提起することは素晴らしいことだ。
優秀賞だけでなく佳作に入選された人も共にエールをおくりたい。
2024年03月02日
アマゾン配達員が労組 休憩とれず 事故補償なし
インターネット通販大手アマゾンジャパンの下請け企業と業務委託契約を結び、神奈川県横須賀市を拠点に働く配達ドライバー10人が13日までに、「東京ユニオン・アマゾン配達員組合横須賀支部」を結成した。と2022年6月13日の日経新聞が伝えていた。
組合員は個人事業主(フリーランス)として働くが、アマゾンからアプリなどを通じて指揮命令を受け、労働時間も管理されているとして、業務委託は「偽装」と主張、労働基準法上の労働者に当たるとしている。
組合員らは13日、アマゾンジャパン本社(東京・目黒)を訪れ団体交渉を求め、労働契約の締結や長時間労働の是正などを求める要求書を提出。同社は取材に「本日受領し、内容を確認している」と回答した。
「宅配『1時間30個』の酷」「アマゾン配達員が労組」「休憩とれず 事故補償なし」という見出しで、2月28日の読売(中村俊平記者)も夕刊で取り上げている。
語り継ぐ戦争の立場だから、アジア太平洋戦争のことをいろいろ勉強するうちに反米という意識がどんどん強くなってきたような気がする。
戦争に敗れると勝った側が敗れた側を支配することはやむを得ないとは思う。
軍部独裁政権というファシズムの国から民主主義の国になれたのは米国のお陰だと言ってもいいくらいだ。
しかし、20世紀にあれよあれよという間にコンピュータが普及し、世の中が様変わりしたが、その恩恵を被ったのは米国の「Google」「Amazon」「Facebook」「Microsoft」「Apple」所謂GAFAならぬGAFMAというIT関連の大企業である。
日本にもユビキタスで知られる坂村健さんのような優秀な研究者がいて,OSだって勝負できるはずだったが、政治的圧力というかいつの間にかマイクロソフトの独占みたいになってしまった。
反米でも、仕方ないからマイクロソフトやグーグルを使っているが、アマゾンではなるたけ買い物しないようにしている。
理由は支払いがクレジットだけだから、ネットでクレジットでの支払いをしないことにしている関係上、アマゾンが使えないからだが、反米だから自分としては満足しているが、不便であることは言を俟たない。
YOUTUBEを便利に使っているが、どこでやってくれているか知らないが、米国だったら、これもお世話になっている。
アマゾンといえば、宅急便であるが、こちらの利用はわが家ではかなり多いに違いない。
定期的に、愛媛県宇和島の吉田町から柑橘類を、秋田県大館からロシア製の黒パンを、健康のためにサプリを、さらに化粧品を連れ合いが送ってもらう一方、有機無農薬野菜を親族などに定期的に送っているので、こちらも年間かなりの利用になる。
TVで宣伝している通販を利用したことだってある。
というわけで、クロネコヤマトを筆頭に配達員の皆さんにはお世話になっているのでいつも感謝している。
ところが、アマゾンを筆頭にわが国の会社でもよくあるのが、社員に有限会社を作らせて独立させ、雇用では関係ではなく、業務委託、請負関係に持っていくという脱法と言ってもいいようなことが横行している。
植木の手入れなどをわが家でお願いしている外工工事の職人さんがまさにこのような働き方をさせられているみたいなのだ。
企業にとっては、厚生年金、社会保険の負担を免れる汚いやり方で許されないが、社員は弱いもので、従わざるをえなくさせられているのである。
世界的な大企業のアマゾンがやっていることは労働者を人間扱いしていないことで、自分がこの大企業を使っていなくてよかったと安堵している。
労働者は団結しないと資本家、経営者とは闘えない。
とにかく、働く者が虐げられていてよいわけがない。
労働組合を結成することにエールをおくりたい。
組合員は個人事業主(フリーランス)として働くが、アマゾンからアプリなどを通じて指揮命令を受け、労働時間も管理されているとして、業務委託は「偽装」と主張、労働基準法上の労働者に当たるとしている。
組合員らは13日、アマゾンジャパン本社(東京・目黒)を訪れ団体交渉を求め、労働契約の締結や長時間労働の是正などを求める要求書を提出。同社は取材に「本日受領し、内容を確認している」と回答した。
「宅配『1時間30個』の酷」「アマゾン配達員が労組」「休憩とれず 事故補償なし」という見出しで、2月28日の読売(中村俊平記者)も夕刊で取り上げている。
語り継ぐ戦争の立場だから、アジア太平洋戦争のことをいろいろ勉強するうちに反米という意識がどんどん強くなってきたような気がする。
戦争に敗れると勝った側が敗れた側を支配することはやむを得ないとは思う。
軍部独裁政権というファシズムの国から民主主義の国になれたのは米国のお陰だと言ってもいいくらいだ。
しかし、20世紀にあれよあれよという間にコンピュータが普及し、世の中が様変わりしたが、その恩恵を被ったのは米国の「Google」「Amazon」「Facebook」「Microsoft」「Apple」所謂GAFAならぬGAFMAというIT関連の大企業である。
日本にもユビキタスで知られる坂村健さんのような優秀な研究者がいて,OSだって勝負できるはずだったが、政治的圧力というかいつの間にかマイクロソフトの独占みたいになってしまった。
反米でも、仕方ないからマイクロソフトやグーグルを使っているが、アマゾンではなるたけ買い物しないようにしている。
理由は支払いがクレジットだけだから、ネットでクレジットでの支払いをしないことにしている関係上、アマゾンが使えないからだが、反米だから自分としては満足しているが、不便であることは言を俟たない。
YOUTUBEを便利に使っているが、どこでやってくれているか知らないが、米国だったら、これもお世話になっている。
アマゾンといえば、宅急便であるが、こちらの利用はわが家ではかなり多いに違いない。
定期的に、愛媛県宇和島の吉田町から柑橘類を、秋田県大館からロシア製の黒パンを、健康のためにサプリを、さらに化粧品を連れ合いが送ってもらう一方、有機無農薬野菜を親族などに定期的に送っているので、こちらも年間かなりの利用になる。
TVで宣伝している通販を利用したことだってある。
というわけで、クロネコヤマトを筆頭に配達員の皆さんにはお世話になっているのでいつも感謝している。
ところが、アマゾンを筆頭にわが国の会社でもよくあるのが、社員に有限会社を作らせて独立させ、雇用では関係ではなく、業務委託、請負関係に持っていくという脱法と言ってもいいようなことが横行している。
植木の手入れなどをわが家でお願いしている外工工事の職人さんがまさにこのような働き方をさせられているみたいなのだ。
企業にとっては、厚生年金、社会保険の負担を免れる汚いやり方で許されないが、社員は弱いもので、従わざるをえなくさせられているのである。
世界的な大企業のアマゾンがやっていることは労働者を人間扱いしていないことで、自分がこの大企業を使っていなくてよかったと安堵している。
労働者は団結しないと資本家、経営者とは闘えない。
とにかく、働く者が虐げられていてよいわけがない。
労働組合を結成することにエールをおくりたい。
2024年03月01日
受刑者に対人スキル 刑務作業見直し
22年6月に成立した改正刑法で、懲役刑と禁錮刑を一元化した拘禁刑が25年6月に導入されるのを見据え、法務省はコミュニケーションを重視した新たな刑務作業の試行を始めた。受刑者同士で話し合って製品を企画するなど、実社会での就業を見据えたより実践的な内容だ。出所後の円滑な社会復帰につなげる狙いがある。と2月26日の読売(石浜友理記者)が夕刊で伝えている。
法務省の有識者検討会は22年7月、導入を見据えて「刑務作業を通じて、コミュニケーション能力や課題解決能力といった社会人に求められる力の向上を図る」とする報告書をまとめていた。
拘禁刑とは、受刑者を刑事施設に拘置し更生のために必要な作業をさせたり、指導を行ったりする刑。受刑者の年齢や特性に合わせ、作業と指導を柔軟に組み合わせた処遇を行えるため、矯正プログラムに多くの時間を割いたり、高齢受刑者にリハビリを重点的に行ったりすることができる。導入に伴い、懲役と禁錮は廃止されるが、導入前に刑が確定した受刑者などには引き続き執行される。
出所後の就労継続は再犯防止に効果があるとされるが、同省の2018年の調査では、出所者を積極的に雇う「協力雇用主」の46%が元受刑者らの雇用期間を「半年以内」と回答。5年を超えて継続したケースは5・8%にとどまった。雇用主からは「人間関係が上手くいかず、早期に辞めてしまう人が多い」「指示待ちで自発的に動かない」などの声が寄せられている。
名古屋刑務所での刑務官による受刑者に対する人権意識の希薄さからの暴行事件が発覚。こうした事件に見られるように規律秩序重視で所内の規律が保たれてきた経緯があり、刑務官の意識改革も必要になってくる。
50代半ばを前に退職してからコロナ禍になる前まで、近くのスーパーに食料品や日用品などの買い物に一日おきくらいに車で行っていた。そのスーパーでは定期的に刑務所の受刑者が製造した木工品、タンスやテーブルなどを受刑者の更生のために役立てようと展示販売に協力していた。
犯罪被害者支援を訴え発信し、究極の支援は受刑者の更生であることに気づき、椅子や布製のバッグ、陶器などを更生を支援するために買い求めて使っている。
作品の出来栄えは見事なものであるが、タンスやテーブルはわが家にはあるから、需要と供給ということでみれば、買えるのは普段使えるようなものに自ずからなってしまうので、製品はもっと需要のあるものを製作して販売してもらった方がいいと思っていた。
過去、何回となく書いてきたのは、受刑者もいろいろで、性暴力を繰り返すような根っからのワルで更生など極めて難しい者がいる一方、前科もなく過ちで事件を起こし、更生しようとする意志がある者など様々である。
更生しようとする意志がある者には何としても就労先が欠かせない。
従来のモノづくりが悪かろうはずがないし、農業や林業などの一次産業の人手不足、建設業など職人の分野での人手不足を考えれば、まず、こういう分野で働けるようにすることが考えられる。何故なら、これらの仕事なら定年がないし、人間関係も一般の会社で働くよりは自然が相手であるから、仕事を辞めるほどではないはずだ。
職業には適性もあるだろうから、会社で働くことを考えるとコミュニケーション能力や課題解決能力が必要なことは理解できる。
保護司の制度もあるから、就業したら、悩みを聞いてやるためにこの制度を活用することも考えられる。
塀の中から出てもらっては困る者がいるのは事実だが、大半は更生の可能性がある人ばかりだから、出所したら、誰かサポートする人がいることで、就労も続けていくことができるのではないか。
製造業、一次産業をもっと有効に活用すべきである。
法務省の有識者検討会は22年7月、導入を見据えて「刑務作業を通じて、コミュニケーション能力や課題解決能力といった社会人に求められる力の向上を図る」とする報告書をまとめていた。
拘禁刑とは、受刑者を刑事施設に拘置し更生のために必要な作業をさせたり、指導を行ったりする刑。受刑者の年齢や特性に合わせ、作業と指導を柔軟に組み合わせた処遇を行えるため、矯正プログラムに多くの時間を割いたり、高齢受刑者にリハビリを重点的に行ったりすることができる。導入に伴い、懲役と禁錮は廃止されるが、導入前に刑が確定した受刑者などには引き続き執行される。
出所後の就労継続は再犯防止に効果があるとされるが、同省の2018年の調査では、出所者を積極的に雇う「協力雇用主」の46%が元受刑者らの雇用期間を「半年以内」と回答。5年を超えて継続したケースは5・8%にとどまった。雇用主からは「人間関係が上手くいかず、早期に辞めてしまう人が多い」「指示待ちで自発的に動かない」などの声が寄せられている。
名古屋刑務所での刑務官による受刑者に対する人権意識の希薄さからの暴行事件が発覚。こうした事件に見られるように規律秩序重視で所内の規律が保たれてきた経緯があり、刑務官の意識改革も必要になってくる。
50代半ばを前に退職してからコロナ禍になる前まで、近くのスーパーに食料品や日用品などの買い物に一日おきくらいに車で行っていた。そのスーパーでは定期的に刑務所の受刑者が製造した木工品、タンスやテーブルなどを受刑者の更生のために役立てようと展示販売に協力していた。
犯罪被害者支援を訴え発信し、究極の支援は受刑者の更生であることに気づき、椅子や布製のバッグ、陶器などを更生を支援するために買い求めて使っている。
作品の出来栄えは見事なものであるが、タンスやテーブルはわが家にはあるから、需要と供給ということでみれば、買えるのは普段使えるようなものに自ずからなってしまうので、製品はもっと需要のあるものを製作して販売してもらった方がいいと思っていた。
過去、何回となく書いてきたのは、受刑者もいろいろで、性暴力を繰り返すような根っからのワルで更生など極めて難しい者がいる一方、前科もなく過ちで事件を起こし、更生しようとする意志がある者など様々である。
更生しようとする意志がある者には何としても就労先が欠かせない。
従来のモノづくりが悪かろうはずがないし、農業や林業などの一次産業の人手不足、建設業など職人の分野での人手不足を考えれば、まず、こういう分野で働けるようにすることが考えられる。何故なら、これらの仕事なら定年がないし、人間関係も一般の会社で働くよりは自然が相手であるから、仕事を辞めるほどではないはずだ。
職業には適性もあるだろうから、会社で働くことを考えるとコミュニケーション能力や課題解決能力が必要なことは理解できる。
保護司の制度もあるから、就業したら、悩みを聞いてやるためにこの制度を活用することも考えられる。
塀の中から出てもらっては困る者がいるのは事実だが、大半は更生の可能性がある人ばかりだから、出所したら、誰かサポートする人がいることで、就労も続けていくことができるのではないか。
製造業、一次産業をもっと有効に活用すべきである。